IHI、不正検査211件 航空エンジン、社長謝罪

2019/3/8 17:40 (2019/3/8 22:26更新)
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航空機エンジン整備での検査不正が発覚したIHIは8日、東京都内で記者会見を開き、2年間で211件の不正が見つかったと発表した。2018年4月に内部告発があったものの、見過ごしていた。同社は過去にも同事業で行政指導を受けていたが、自浄作用が働かなかった。

会見で満岡次郎社長は「すべてのステークホルダー(利害関係者)に多大なる迷惑と心配を掛け、衷心より深くおわびする」と陳謝した。

記者会見で謝罪するIHIの満岡次郎社長(左)(8日、東京都江東区)

記者会見で謝罪するIHIの満岡次郎社長(左)(8日、東京都江東区)

見つかった不正のうち、208件は必要な資格を持たない従業員が検査をしていた。規定と異なる手順で整備をしていた事例が3件あった。

不正の3分の2はエンジン整備に絡む。IHIは2年間で200基以上のエンジンを整備したが、そのうち米ゼネラル・エレクトリック(GE)とインターナショナル・エアロ・エンジンズ(IAE)製の計13基の検査工程で複数の不正が発覚した。残り3分の1は部品検査で起きていた。

IHIは17年、自動車業界で無資格検査の不正が相次いだことを機に全社的な品質調査を実施した。調査では不正の事実を見つけられなかった。その後、18年4月に瑞穂工場で無資格者が検査しているとの内部告発があった。これを受けて工場長らが検査担当者らに聞き取りしたが、「事実確認に至らない」と判断した。満岡社長には内部告発の事実が報告されていなかったという。最終的に不正が発覚したのは、国土交通省の今年1月の立ち入り検査だった。

IHIで大規模な不正が発覚するのは初めてではない。04年には同じエンジン整備事業でデータ改ざんが見つかり、国交省から業務改善勧告を受けた。07年にはプラント事業の損失に絡み、過年度にわたる大幅な決算下方修正を公表。東京証券取引所で初の「特設注意市場銘柄」に指定され、一時は上場の維持すら危ぶまれた。

経営責任について、満岡社長は「再発防止を徹底しながら、事態の収拾と信頼回復に取り組むことが優先だ」と語った。その上で「社外取締役が大半を占める諮問委員会で議論してもらう」として、自らを含めた経営陣の処分にも言及した。

現在も国交省の検査が続いており、会見で発表した内容も中間報告として全容を明らかにしていない。問題が長引けば、業績への影響が出る恐れがある。

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