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米ウーバーとマクドナルドの「良い関係」

CBINSIGHTS
今年は米国で新興企業の大型上場が相次ぐと見られる。その中でも最大級の注目を集めているのがライドシェア2強のリフトとウーバーテクノロジーズだ。リフトに続き、ウーバーも新規株式公開(IPO)が見込まれている。ウーバーの稼ぎ頭と目されるのが、料理配達の「ウーバーイーツ」だ。なぜイーツは利益率が高いのか。その収益モデルを分析すれば、日本でもおなじみのハンバーガーチェーンとの相性が抜群であることが分かる。マクドナルドだ。
日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週1回掲載しています。

ウーバーイーツは社内で最も急成長を遂げ、利益を上げている部門だ。世界各地に抱える運転手を活用し、マージンが大きく付加価値も高い料理配達サービスを顧客に提供していることが成功の理由だ。

利用者が配達用アプリで近隣のレストランに料理を注文すると、20分~1時間で配達してくれる。配達を担うのはウーバーの運転手で、通常の運転手用アプリでイーツのリクエストを受ける。

2018年10~12月期のイーツの受注総額は25億ドルに上ったとされる。これはウーバー本体の受注総額の約18%にあたる。さらに、イーツは17年時点で展開している都市の4分の1近くで黒字を確保した。

本稿では、イーツがいかにしてウーバーの主力事業の一つになり、最近の事業撤退のケースがなぜ同社にとって問題となる可能性があるのかについて取り上げる。

ウーバーイーツの稼ぎ方

イーツは三方から売り上げを得る。顧客から得るスライド制の配達料、運転手から徴収する一定の比率の手数料、そして注文ごとに発生するレストランからのマージン30%だ。

1回の注文ごとに距離と他の注文の配達ルートに応じた予約料がかかる。画像の最初の例では、1.5マイル離れたマクドナルドへの注文で3.49ドルの予約料がかかる。2番目の例では、2.6マイル離れたレストランに注文しても1.49ドルしかかからない。

2番目の例の方が安い理由は、注文が発生した場所とレストランとの間にいる別の客が、同じレストランに注文したからだ。運転手は既に注文を受け取りにそのレストランに向かっているため、イーツのアプリは「一括」注文にしようと割安な予約料を提示する。

これは顧客にとって値引きになるが、最も得をするのはウーバーだ。別の注文が発生し、レストランから30%のマージンを得られる一方、運転手には最初の注文ルートから外れる分だけを払えばよいからだ。

イーツはウーバーの既存の運転手を使って受け取りや配達ができるため、既にコストを大幅に節約できている。しかも、運転手のネットワークは世界中にあるため、多くの市場に簡単に拡大できる。

(マクドナルドのような)大半のレストランには自前で配達員を雇う余裕がない点もウーバーに有利に働く。こうしたレストランはウーバーにマージンを支払ってでも、出前の注文で売り上げを増やそうとイーツと手を組む。

運転手やレストランからの反発

レストランの利ざやは非常に小さいため、イーツのようなサービスで元を取るには大量の注文を受けなくてはならない。このため、多くのレストランはイーツへの参加を見合わせている。

注文のたびに30%のマージンをとられるため、全てのレストランがイーツとの提携に納得しているわけではない。

イーツの比較優位

地元に根付いたオンデマンドの料理配達サービスがない地域では、配達を担う運転手を既に多数抱えているウーバーは圧倒的に有利だ。レストランと提携してしまえば、配達のスイッチをオンにするだけでよい。見込み客もウーバーアプリに保存されている情報を使って注文をスタートできる。

だが、ウーバーは既に定着したライバルがいる地域や、政府が地場企業を優遇する規制を敷く可能性が高い国では苦戦を強いられている。例えば、インドの料理宅配アプリ、スウィッギーは最近、イーツのインド事業を買収することで合意した。

米シームレスなど他の料理宅配サービスが定着しているニューヨークなどでは、イーツの成長は緩やかだ。実際、米メディアのテッククランチによると、米市場では最近、ライバルの米ドアダッシュのシェアがイーツを上回った。これはウーバーにとって今後問題となる可能性を示している。

もっとも、ウーバーにとってのイーツの究極の価値は、大きな利益を生む事業に育つ可能性があるという点だけではない。これはウーバーが配車サービス企業にとどまらない可能性を秘めていることを示す、もっと有益な「サイドアプリ」の足掛かりだ。

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