欧州中銀、新資金供給策を導入 年内利上げ断念

2019/3/7 18:07 (2019/3/8 0:45更新)
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【フランクフルト=石川潤】欧州中央銀行(ECB)は7日の理事会で年内の利上げ断念を決めた。「景気減速が物価の回復を遅らせている」(ドラギ総裁)ためで、金融緩和を続けて景気を下支えする。貸し渋りの抑制に向け銀行への新たな資金供給策の導入も決めた。

景気減速でドラギ総裁は難しい判断を迫られる=ロイター

景気減速でドラギ総裁は難しい判断を迫られる=ロイター

ECBは昨年末に量的緩和政策を終了したが、早くも緩和縮小路線の修正を迫られた。すでに米国は利上げを棚上げし、中国も銀行を介さず資金を融通する「影の銀行」規制を緩めている。世界の主要中銀が景気減速への警戒で足並みをそろえつつある。

ECBはこれまで金融政策の先行き指針(フォワードガイダンス)として、現在0%の主要政策金利などの水準を「少なくとも2019年夏まで」維持するとしていた。今回の会合で「少なくとも年末まで」と表現を変え、利上げは早くても20年以降と明確にした。

7日は19年9月に新たな資金供給制度(TLTRO3)を開始することも決めた。21年3月までの期間限定で償還期限2年の低利資金を銀行に供給し、企業や家計にお金が行き渡るようにする。

ECBは16~17年にも同様の資金供給策(TLTRO2)で7000億ユーロ超(90兆円)を銀行に貸し出した。20年6月以降に満期を迎えるため、イタリアなどの銀行の資金繰りに不安が生じないようにする狙いもある。

ドラギ総裁は7日の記者会見で「リスクはなお下方に傾いている」と景気の先行きに強い警戒を示した。同日公表したユーロ圏の新しい経済見通しでは19年の成長率を前回(18年12月)の1.7%から1.1%、消費者物価上昇率を1.6%から1.2%にそれぞれ下方修正した。

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