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製薬企業と患者をつなぐ、治験プラットフォームが始動

日経クロステック

治験情報サービスを手掛けるベンチャー企業のバズリーチ(Buzzreach、東京・目黒)は、治験情報発信プラットフォーム「puzz(パズ)」を2019年3月5日に提供開始したと発表した。puzzは、製薬企業や医療機関が治験情報を掲載し、患者や被検者募集企業などに向けて情報発信ができるプラットフォームである。

製薬会社はしのぎを削って新薬開発を進めているが、承認を得るまでには10~15年の期間を要する。開発期間の延長を招いていた理由として、バズリーチ代表取締役の猪川崇輝氏は「治験患者のリクルーティングがうまくいかない」と指摘する。治験を実施する医療機関がリクルーティングを行っても、すべての対象患者に参加してもらえるわけではないため、必要な症例数を集めることができずに試験期間を延長せざるを得ない場合が多いという。

一般的に1カ月間治験を実施すると製薬企業には3000~5000万円のコストがかかる。試験期間が延びれば、それだけ余分なコスト負担がのしかかる。

リクルーティングがうまくいかない理由の一つは、患者が治験情報に触れる機会が乏しいため「治験にマイナスイメージを抱いている人が多いこと」と猪川氏はいう。一方、新しい治療を求めている患者がいても、その患者がかかっている医療機関が治験を実施していなければ、治験の存在を知ることができないという問題もある。

そこでバズリーチが手掛けたのが、製薬会社が治験情報を発信できるpuzzと、患者向けの臨床試験マッチング(募集)サイト「smt」である。smtは、新しい治療法や治療薬を求める患者に対して治験のマッチングを行うサービスで、患者が自分の状態に合った治験を検索して応募することができる。現在はベータ版を提供している。

puzzとsmtの仕組みはこうだ。製薬企業がpuzzに治験情報を登録すると、その情報はsmtに反映される。製薬企業が登録する情報は公開できる一部の情報にとどめてもよい。smtに公開された情報の中から、受けてみたい治験が見つかった場合、患者はオンライン上で自分の治療歴や既往歴などの情報を入力し、スクリーニングを受ける。スクリーニングの結果、治験に参加できると判断された場合、治験コーディネーターが患者の主治医に相談して治験を実施する間の一時的な転院を内諾してもらうという流れだ。

2カ月の開発期間延長を回避

試作品を使った導入効果も明らかになっている。開発が数カ月遅れる懸念があった脳卒中患者に向けた新薬開発では、開発途中にpuzzを導入して治験情報を拡散し、予定の期間内に開発を終えることができたという。約2カ月の開発期間延長を回避できたことで4500万円のコスト削減を実現した。

バズリーチはKLabベンチャーパートナーズ(東京・港)などから約5000万円の資金調達を実施したことも明らかにしており、今後はpuzzやsmtの機能拡張を進めていきたいとしている。被検者募集企業や患者支援団体などとアライアンスを組み、情報拡散にも力を入れていきたい考えだ。将来的には、韓国や中国への展開も視野に入れている。

(日経デジタルヘルス 伊藤瑳恵)

[日経 xTECH 2019年3月6日掲載]

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