新日本航空が事故報告せず 当初「パンク」と伝える
新日本航空のプロペラ機が2017年9月、鹿児島県三島村の飛行場に強く着陸し、機体に大規模修理が必要な損傷ができたのに同社が国土交通省に報告していなかったことが7日までに分かった。
同省は6日、大阪航空局が今年2月の立ち入り検査で分解された機体を見つけたのをきっかけに、航空事故と認定。運輸安全委員会は航空事故調査官3人を指名し、調査することを決めた。
国交省によると、事故当時、同社は大阪航空局に「(タイヤが)パンクした」と報告したが、損傷の事実は伝えなかった。同社は取材に対し、報告が必要な事故との認識がなかったとしている。大阪航空局が適切な報告をしなかった理由を調べている。
事故は17年9月25日、単発プロペラ機セスナ172Pが、鹿児島空港から三島村の薩摩硫黄島飛行場に着陸した際に発生。乗っていた3人にけがはなかった。機体には、機体前部の「隔壁」と呼ばれる部分にある前脚の取り付け部に亀裂ができたり、胴体の下側にゆがみができたりするなどした。
同社は取材に、分解した理由について、三島村から鹿児島空港に持ち帰る必要があったことや、新たな機体の購入で廃棄予定だったとしている。
新日本航空は、鹿児島空港に本社運航所があり、パイロットの養成などに当たっている。〔共同〕
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