2019年6月27日(木)

米貿易赤字が過去最大、18年8787億ドル

2019/3/6 22:39 (2019/3/6 22:55更新)
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【ワシントン=鳳山太成】米商務省が6日発表した2018年の貿易統計(通関ベース)は、モノの赤字が前年比10.4%増の8787億200万ドル(約98兆4千億円)となり、06年以来12年ぶりに過去最大を更新した。トランプ大統領は赤字削減へ中国など各国・地域の製品に追加関税を課したが、堅調な米景気が輸入を押し上げた。看板公約が不発となったトランプ氏は貿易相手国に赤字縮小を迫り続けそうだ。

18年の国・地域別の貿易赤字は全体の半分弱を占める対中国が4192億ドルと11.6%増え、2年連続で過去最大となった。対日本は676億ドルで1.8%減だった。対メキシコや対欧州連合(EU)の貿易赤字も拡大して過去最大を記録した。

18年の全体の輸出は7.6%増、輸入は8.6%増えた。トランプ米政権は大型減税を実現させる一方で歳出を膨らませ、個人消費を刺激して輸入を押し上げた。コンピューターや産業機械などの資本財から自動車関連、食料品、医薬品や家具など消費財まで全体的に輸入が大きく伸びた。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げでドル高が進んだことも貿易赤字を膨らませる要因になった。

サービスを含む国際収支ベースの貿易赤字は12.5%増の6210億ドルで、08年以来の高水準だった。12月単月のモノの貿易赤字(通関ベース、季節調整済み)は804億ドルと前月に比べて12.6%増え、単月としても過去最大だった。

トランプ氏は19年2月末の記者会見で「関税で貿易赤字は減ってきている」と自身の通商政策の正当性を主張した。だが実態は正反対で、大統領在任2年間で同氏が重視するモノの貿易赤字は約1400億ドル膨らんだ。

18年は強硬な通商政策を次々と実行した。同年3月以降に日本やEUなどを対象に鉄鋼とアルミニウムに関税を上乗せした。中国には貿易戦争を仕掛け、7月から9月にかけて計2500億ドル分に制裁関税を発動した。

米国も相手国・地域から報復関税を受け、農産品や自動車の輸出が振るわなかった。対中国では18年後半にブレーキがかかり、主力品の大豆は7月以降に2桁減に落ち込んだ。一方で対中輸入は増えた。12月1日の米中首脳会談を経て延期されたものの、19年1月に予定された関税引き上げをにらんだ駆け込み需要が一部で発生した。

貿易赤字は雇用情勢が逼迫する好況時のインフレ圧力を和らげるといった効果もあり、一概に良しあしを判断できない。ただ、トランプ氏はモノの貿易収支で「黒字=勝ち、赤字=負け」と見なし、支持層に雇用創出を訴える材料として赤字削減に執着している。今後始める見通しの日本やEUとの貿易交渉でも「目標」に据えている。

米景気は失業率がほぼ半世紀ぶりの低水準で推移するなど足元では堅調を維持している。そのため貿易赤字拡大に対する支持層からの反発は表面化していないが、景気や雇用が減速すれば通商政策への不満も高まるのが必至。トランプ氏が赤字を一段と敵視し、各国・地域に対して、関税で脅す強硬策に拍車をかける恐れもある。

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