2019年4月26日(金)

岩手最大の観光キャンペーン、県など被災地に誘客

大震災8年
北海道・東北
2019/3/6 22:00
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岩手県などは3月21日から11月10日まで、過去最大の観光キャンペーン「いわて幸せ大作戦」を展開する。JR山田線統合による三陸鉄道リアス線の誕生や、沿岸全体が会場となるイベントなどに連動する。東日本大震災からの復興をアピールし風化を防ぐ。インバウンド(訪日外国人)向けに鉄道とバスによる周遊パスも準備。被災地に観光客を呼び込み、元気づける。

岩手県の魅力を詰め込んだガイドブック。期間中だけのツアー企画もある

キャンペーンは県内の自治体や企業など81団体が参加する協議会が主催する。「おいしい食、豊かな自然・絶景などに出会い、『幸せ』を実感してもらう」をコンセプトとしている。「宝探しの旅」をイメージしたガイドマップを35万部配り、JR東日本の主要駅約4700駅には1カ月間、5枚セットのポスターを張り出す。

ガイドブックでは県内各地のグルメや観光地を紹介しているほか、雲海や星空が楽しめる期間中だけの早朝・夜のツアーを用意する。中でも充実しているのが三陸沿岸の企画だ。

復興のシンボルとされる三陸鉄道は3月23日、リアス線として生まれ変わる。被災したJR山田線の宮古―釜石間が復旧、三鉄に移管されるもので、沿岸が1本のレールで結ばれる。盛(大船渡市)―久慈(久慈市)間の総延長は第三セクターとしては国内最長の163キロだ。

JR東は昼食を楽しめるレストラン列車や、人気アニメ「ポケットモンスター(ポケモン)」と連携した観光列車をリアス線へ直通運転するほか、盛岡から沿岸へ誘客する列車を増やす。三鉄は夜行列車を計画する。終電後に盛を出発し、翌朝の始発前に久慈に到着する。

このほか小型船によるクルージング、ビーチで行うヨガ、昔ながらの製法による塩作りなどの体験型観光を充実させている。断崖景勝地の北山崎など「SNS映え」する絶景を組み合わせ、周遊・滞在を促すモデルコースも載せた。震災語り部や震災学習列車なども改めてアピールする。

インバウンド対応も進める。県内の鉄道とバスが一定額で乗り放題になる周遊パスを4月下旬に販売する。パスは英語と中国語(簡体字・繁体字)に対応し、使い方や乗り方、パスが使える路線、観光地などのクーポン、医療機関などを掲載する。3日間で8000円。利用者はネットで購入し、花巻空港や仙台空港、JR盛岡駅でパスを受け取る。オプションでレンタカーもある。

花巻空港に台湾と中国・上海を結ぶ定期便2路線が就航し、空港からの2次交通や、現金しか使えない交通機関について改善要望が寄せられていた。県の呼び掛けで県内8事業者が協力。2月、盛岡市や沿岸各地を巡る実証実験に参加した留学生らからは「便利だ」などと好評を得た。

県観光課によると、県内を訪れる観光客は年間延べ約2760万人で、ここ数年は横ばい。このうち沿岸は約560万人。震災で急減し、少しずつ戻ってきているが、震災前の7割程度にとどまる。担当者は「観光の力を被災地をはじめ県内各地に届けて、県民の元気と幸せにつなげたい」としている。

(盛岡支局長 冨田龍一)

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