豪経済に息切れ懸念 10~12月は前期比0.2%成長

2019/3/6 17:00
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【シドニー=松本史】オーストラリア統計局が6日発表した2018年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比0.2%増だった。輸出や住宅建設の減少が響き、成長率は7~9月期の0.3%から減速した。最大の輸出先である中国の景気減速が続くことで、豪州経済が息切れすると懸念する声が出ている。

住宅価格下落の経済への影響を懸念する声も出る(シドニー)

成長率は調査会社リフィニティブがまとめた市場予測(0.3%)を下回り、16年7~9月期以来の低水準となった。前年同期比では2.3%増で、豪準備銀行(中央銀行)が2月に発表した18年の成長率(2.75%)を下回った。

GDPの約6割を占める家計最終消費は前期比0.4%増え、伸び率を0.2ポイント押し上げた。一方、干ばつなどの影響で農産物の輸出が落ち込み、輸出は前期比0.7%減と、0.1%減だった7~9月期からマイナス幅が拡大。住宅価格の下落を受けた住宅建設の減少も下押し要因となった。

今後の懸念材料となるのが豪州の輸出額の約3割を占める中国の景気動向だ。石炭とならぶ豪州最大の輸出品、鉄鉱石は8割以上が中国に向かう。足元では有力生産国ブラジルの鉱山事故の影響で豪州産鉄鉱石価格は上昇している。中国が進める環境対策で、大気汚染物質の排出が少ない豪州産鉄鉱石の需要も底堅いとされるが「中国の需要自体が落ちれば、ある程度の影響は避けられない」(日本企業関係者)。

また、住宅価格下落の影響が続くことへの懸念も強い。「今回の(GDPの)弱さが一時的なものとは考えない」。英調査会社キャピタル・エコノミクスのベン・ウディ氏は6日こう述べ、住宅の資産価値低下を警戒して、家計の貯蓄率が上昇していると指摘した。

住宅情報会社コアロジックによると2月の住宅価格の前年同月比下落率はシドニーで10.4%、メルボルンで9.1%。足並みを合わせるように、耐久消費財市場にも変調が起こり始めている。

豪自動車工業会(FCAI)が5日発表した1~2月の新車販売台数は前年同期比8.4%減と落ち込んだ。FCAIのトニー・ウェーバー最高経営責任者(CEO)は「住宅市場の軟調など豪経済の状況を考えれば、(19年が)低調な滑り出しとなったのは驚くことではない」と話す。

豪中銀は16年8月に利下げして以降、2年半以上政策金利を過去最低水準の1.5%に据え置いている。ロウ総裁は「利上げと利下げの可能性は均衡している」と述べるが、市場では「今年8月にも利下げを行う」(ウディ氏)との見方も出始めている。

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