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FTが「ESG投資」でシンポ 情報の充実課題に

【ロンドン=篠崎健太】英フィナンシャル・タイムズ(FT)は5日、環境・社会課題・企業統治への対応を考慮する「ESG投資」に関するシンポジウムを、英国のロンドン証券取引所で開いた。運用会社や金融機関などの専門家が集い、ESG投資の現状や普及への課題を討議した。投資判断の手掛かりとなる情報の充実が必要だとの意見が多く出た。

ESG投資について討論する参加者(5日、ロンドン)=川上真撮影

基調講演した東京証券取引所の宮原幸一郎社長は「投資家は中長期の企業価値向上をESGに期待している」と述べ、日本での関心の高まりを紹介した。コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の上場規則への導入や、ESG要素を考慮した株価指数の開発・算出など、取引所としての施策を説明した。

ESGは国連が2006年に「責任投資原則(PRI)」を提唱したことで広がった。PRIに署名した世界の機関投資家の運用残高は、18年4月末時点で計81.7兆ドル(約9150兆円)に上る。英運用大手アバディーン・スタンダード・インベストメンツのデボラ・グルシャン氏は「ESGはより幅広い視野で投資先の理解を深めるものだ」と意義を語った。

パネル討論ではESGの普及に向け、非財務情報を充実させる必要性などが話し合われた。英HSBCのダニエル・クリア氏は「細かいデータを求める投資家が多くなっている」と述べた。金融庁の園田周氏は日本政府として「上場企業の情報開示の強化に軸足を置いている」と説明した。

ESGは指数連動の成果をめざすパッシブ運用でも広がっている。株価指数を開発・算出する英FTSEラッセルのデビッド・ハリス氏は「質の高いデータの確保が重要で、データ欠如への対処が課題だ」と話した。

楽天のマーク・ハリバンド氏はESGの企業への影響として「特に(80年以降に生まれた)ミレニアル世代を中心に従業員の関心も高い」と述べ、人材採用の観点でも重要になってきたとの見方を示した。大和証券グループ本社の田代桂子氏は「従業員が日常でESGを理解することが大切だ」と指摘した。

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