マレーシア政府系ファンド、約1700億円の最終赤字 2018年

2019/3/5 23:06
保存
共有
印刷
その他

【シンガポール=中野貴司】マレーシアの政府系投資会社カザナ・ナショナルは5日、2018年の税引き・配当前の最終赤字が62億7100万リンギ(約1700億円)に上ったと発表した。マレーシア航空など保有株の価値が低下し、多額の減損損失を計上したのが主因だ。一方で、国への配当額は5割積み増しており、経営環境は厳しさを増している。

18年は投資先企業からの配当収入が28億リンギと前年に比べ約10%減った一方、減損損失は73億リンギと前年の約3.2倍に膨らんだ。減損損失の約半分は経営再建が遅れるマレーシア航空分で、09年以来の最終赤字に陥った。5日に記者会見したシャフリル・リザ・リズアン社長は「19年は再び黒字化できる」と、最終赤字が一時的なものだと強調した。

今後は保有する株式を利回りを追求する企業群と、政府の政策に沿って経営管理する企業群に分け、保有目的を明確化する方針も示した。前者には金融大手のCIMB、病院運営のIHHヘルスケアなどが、後者には電力のテナガ・ナショナルや通信のテレコム・マレーシアが含まれる。

ただ、財政再建が国の重要課題となる中で、政府系ファンドへの増配圧力は強まっている。カザナは18年11月に、IHH株の一部売却を決めた。一時的な収益狙いで株式を売ることはないと強調しているものの、保有株の売却を迫られる局面が今後も続く可能性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]