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野村HD、CEO続投 苦渋「ポスト永井は永井」
低収益改善を優先

2019/3/6 2:00
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野村ホールディングス(HD)は5日、永井浩二グループ最高経営責任者(CEO、60)が続投する人事を発表した。今期の10年ぶりの赤字転落がほぼ確実な情勢のなか、市場からはトップの人事刷新を求める声もあった。それでも永井氏が在任7年を超える異例の長期政権を決めたのは、低収益体質の早急な改善を優先したためだ。

森田敏夫氏(57)と奥田健太郎氏(55)の2人の共同グループ最高執行責任者(COO)も留任する。後継レースはいったん白紙に戻り、構造改革で力を発揮した人物が新たな候補に躍り出る可能性が出てきた。

永井氏は2012年にグループCEOに就いた。アベノミクスの追い風もあり、就任時に70兆円弱だった預かり資産残高は110兆円を超えた。17年3月期には海外事業の黒字化を実現させた。

ところが19年3月期に落とし穴が待っていた。法人部門では金利低下でトレーディング部門が落ち込み、08年に買収した米リーマン・ブラザーズなどのれんの減損も迫られた。18年4~12月期は1000億円を超える連結最終赤字を記録した。

頼みの個人営業部門も苦しい。株価の乱高下で個人が投資に慎重になり、18年10~12月期は大幅な減益。顧客本位の営業改革で預かり資産を重視してきたが、収益性の低下に歯止めがかからない。

永井氏は今年の社長交代を念頭に、2人のCOOを競わせてきた。米州地域ヘッドの奥田氏は海外、野村証券社長の森田氏には国内で強い権限を与えた。ところが想定外の業績の落ち込みで、永井氏がCEOを託すことができなくなった。

永井体制への市場の評価は厳しい。野村HDの株価は17年末比で34%下落しており、日経平均株価(5%安)と比べて下げが目立つ。永井氏は一気に世代を若返らせることも検討したようだが、「全体を見渡せる経営人材が育っていない」(野村幹部)との意見が指名委員会の議論をリードした。結局、「ポスト永井は永井」という苦渋の決断につながった。

今回の人事では奥田氏がニューヨークから東京に戻り、副社長として法人部門を立て直す。新井聡執行役員(53)を営業部門長に据えるなど比較的若い世代にもチャンスを与える布陣とした。

4月には構造改革を発表する。個人・法人ともにコスト削減を徹底する方針。営業部門が売買した商品の記録や決済をおこなうバックオフィスなどコストを聖域なく見直す。

永井氏の在任期間は野村を世界有数の証券会社にした田淵節也氏(78年10月~85年12月)の7年2カ月をまもなく抜く。痛みを伴う改革をどこまで断行できるのか。あえて続投を決めた永井氏がしがらみに縛られない野村像を示せなければ、復活も遠のくだけだ。(関口慶太)

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