YKK、19年3月期にファスナー販売100億本突破へ

2019/3/5 19:10
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YKKグループは5日、2020年3月期の経営方針を発表した。19年3月期に販売本数が100億本の突破を見込むファスナーは量的成長をめざす。近年、ファストファッションブランドやECの展開で商品のサイクルが短期化。低価格な供給が可能な新興成長国だけでなく、消費する周辺国を含め供給や開発拠点を強化することで対応可能な体制を構築する。

経営方針を説明するYKKの大谷社長(東京都千代田区の本社)

「100億本は単なる通過点。コスト削減は終着点がない。常によりよいものをより安くということに基づき設備の設計と開発を行う」。5日、本社(東京・千代田)で開いた説明会でYKKの大谷裕明社長はこう語った。ファスナーの世界トップ企業で、日本をはじめ、米国や欧州、中国など約70カ国に生産拠点を持ち、原材料から製造装置まで一貫生産する。21年3月期には128億本をめざす。

20年3月期のファスナーの事業の総投資額は489億円と、過去最高の19年3月期に比べ減ったが、高水準。アジア(175億円)の比率も19年3月期(約45%)と同様に高水準の約36%を占める。新工場を建設するベトナムの56億円をはじめ、インドネシアや台湾を生産増強する。

開発体制も19年3月期末見込みの36拠点の開発拠点の数を40拠点に強化する。トルコに研究開発拠点の機能を強化するほか、スリランカやバングラデシュ、パキスタン、メキシコに商品開発拠点を開設する。ファストファッションやSPA(製造小売り)のカジュアル衣料の顧客やナショナルブランドを持つ欧米量販店の周辺国で求められる短納期化に対応する。

今後のブレグジット(英国の欧州連合離脱)について、YKKは英国に製造拠点を持つが、その規模は小さく「さほど大きなリスクとは考えていない」(大谷社長)と説明する。「懸念は局地的なリスクから消費意欲の減退で市場環境が悪化することはリスクになるだろう」と付け加える。

建材のYKK APの20年3月期の総投資額は194億円。国内は高断熱化や高機能化の窓などの増産や合理化のほか、海外は中国の大手不動産開発事業に向けラインを強化する。19年10月の消費税10%への引き上げに伴う駆け込みや反動減は政府の対応策によって小さくとどまるとみる。

YKKグループの2019年3月期の売上高は18年3月期比3%増の7735億円、営業利益は0.6%増の596億円の見込み。2020年3月期は売上高が19年3月期比4%増の8083億円、営業利益が3%増の615億円を計画する。

(小田浩靖)

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