米民主党が証拠集めを本格化、トランプ氏の不正疑惑で

2019/3/5 19:04
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【ワシントン=中村亮】米野党、民主党がトランプ大統領の不正疑惑を裏付ける証拠を本格的に収集し始めた。4日にカネや女性、ロシアなどをめぐる疑惑に関連した文書を2週間以内に提出するよう81個人・団体に要請した。拒否した場合には議会の調査権限を使い強制的に提出を求める構え。民主党は大統領弾劾の可能性を探っており、その根拠を見いだす狙いがある。

下院司法委員会の民主党トップ、ジェロルド・ナドラー議員は4日の声明で「民主主義の制度が過去2年間で傷つけられた」と非難し、トランプ氏に対する新たな調査を始めると表明した。

米議会には証言を強制したり、偽証罪を科したりする強力な調査権限がある。下院で多数派を握っている民主党はこの権限を使い、トランプ氏に相次いで浮上する疑惑の真偽やその証拠をつかみたい考えだ。

今回の調査対象は「司法妨害」と「腐敗」「権力乱用」といった幅広い範囲に及び、トランプ政権下ではこれまでで最も包括的な疑惑調査となりそうだ。

調査結果の公表範囲やタイミングも議会に決める権限がある。トランプ氏の犯罪行為が決定的になれば大統領弾劾をすぐに発議できる。

一方、モラー特別検察官の捜査対象は2016年の米大統領選に関連するトランプ氏や周辺の不正行為などに限られる。内容開示の判断も司法省に委ねられている。民主党主導の調査に比べ議会の関与の余地が小さい。

民主党は疑惑の発掘から証拠収集に軸足を徐々に移している。

焦点の一つは、元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が2月末の公聴会で、トランプ氏から過去の不倫相手に口止め料を支払うよう指示を受けたと証言した事案だ。被告は「トランプ氏が選挙資金法に違反する犯罪計画の一部だ」と主張した。

民主党が刑事責任を問う上でカギを握るのが、トランプ氏が犯罪行為を認識した上で口止めを指示したかどうかという事実関係だ。選挙資金法違反を認定するには当事者が意図的に罪を犯したと証明する必要がある。

民主党は口止め料の支払いに関与したとみられる親族企業「トランプ・オーガニゼーション」の幹部や、長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏に調査の照準を定めた。

米メディアによると、トランプ政権がコーエン被告を恩赦する代わりに司法当局の捜査に協力しないよう求めた疑いも浮上している。民主党は被告に文書での調査協力を求めた。6日に予定する非公開の議会証言でも問いただすとみられる。

サンダース大統領報道官は4日、新たな疑惑調査に関連し「民主党は政治的なゲームをしたり急進左派の基盤の要求を満たしたりすることに躍起だ」と批判する声明を発表した。

トランプ氏も民主党の追及に不満をぶちまけている。コーエン被告の公聴会の日程が2月27~28日にベトナムで開いた米朝首脳会談と重なったことに触れて「大統領が国外にいるときに(公聴会を)やってはならない」と批判した。「(首脳会談での)退席につながったかもしれない」とも指摘した。非核化をめぐる米朝合意見送りの責任を民主党に転嫁する姿勢を見せた。

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