マルコメ、新潟県魚沼市に甘酒工場 情報発信拠点に

2019/3/5 22:00
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味噌製造最大手のマルコメ(長野市)は5日、完全子会社の魚沼醸造(新潟県魚沼市)の新工場「魚沼醸造」(同)をオープンした。長野県外の国内生産拠点は初めて。健康志向の高まりを背景に市場拡大が続く甘酒の生産能力増強に加え、観光施設として発酵文化の発信拠点とする。甘酒大手のマルコメが専用工場を立ち上げたことで、国内競争も激化しそうだ。

周辺を雪原と山に囲まれた自然豊かな土地に建設した

日本最大の製麹機を見た地元の幼稚園児たち

5日開いた式典で、魚沼醸造の青木時男会長(マルコメ社長)は「甘酒ブームの中で一昨年から昨年にかけ欠品が生じていた。安定供給を最優先にしていく」と語った。

魚沼醸造はJR上越新幹線の浦佐駅から車で10分ほど離れた場所にある。投資額は83億円で、延べ床面積は1万436平方メートル。生産能力は乾燥米こうじに換算して年2700トンで世界最大級の米こうじ工場という。甘酒の増産量などは非公表。ただ、甘酒生産の大半を長野市の本社工場から魚沼醸造に移す方針だ。

魚沼醸造は甘酒や原料の米こうじの生産だけでなく、情報発信拠点としての機能も備える。一般向けスペース「魚沼 糀(こうじ)サロン」では甘酒のほか、砂糖を使わず甘酒のみで甘みを出したソフトクリームなどを楽しめるカフェを設置。同社が注力する「調味料としての甘酒」の魅力発信につなげる。今後は洋菓子や和菓子など、魚沼醸造のみで販売する甘酒スイーツも展開していく。

他にも見学施設の温度調節に使用する雪室の見学や、甘酒を使った手作りせっけんのワークショップなどを開催する。

工場見学では世界最大級という米を蒸す機械や、国内最大の米こうじを作る製麹(せいきく)機を見学できる。5日の式典に参加した地元の幼稚園児からは「大きい」と歓声が上がっていた。

青木会長は「東南アジアは甘みへの感度に日本的な部分があり、抵抗なく飲んでもらえる可能性がある」と話し、代替甘味料や健康飲料としての輸出増強を示唆した。

マルコメによると同社は甘酒生産では国内2位だが、酒かすではなく米こうじから作る甘酒に限ると最大手。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、2017年の甘酒市場(見込み)は240億円と16年比で3割超伸びた。一方で急激な市場拡大で納品遅れや欠品が生じ、生産能力の増強が急務となっていた。

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