2019年5月26日(日)

2019年全人代の政府活動報告要旨

中国全人代
経済
政治
中国・台湾
2019/3/5 16:23
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中国の第13期全国人民代表大会全人代、国会に相当)の第2回会議で、李克強(リー・クォーチャン)首相が5日に実施した政府活動報告の要旨は次の通り。

【2018年の回顧】習近平(シー・ジンピン)同志を核心とする(共産)党中央の力強い指導のもと、「小康(ややゆとりのある)社会」の全面的完成に向けて大きな進展をもたらした。

国内総生産(GDP)は6.6%伸び、規模は90兆元(約1500兆円)を突破した。消費者物価は2.1%上昇した。中米経済貿易摩擦により、一部の企業の生産経営などが影響をこうむった。ただ、国を挙げて努力した結果、我が国の経済発展は高い水準で安定を保ちつつ前進した。

【19年の経済目標】我が国の発展が直面する環境は複雑さと厳しさを増すが、経済の長期的な上昇傾向は変わらない。GDP成長率は6~6.5%を目標。都市部の新規就業者数は1100万人以上とし、失業率を抑える。消費者物価の上昇率は3%前後とする。農村貧困人口を1000万人以上減らし、住民所得の伸び率を経済成長率とほぼ同じにする。

【財政】19年の財政赤字は2兆7600億元とする。財政赤字のGDPに対する比率は2.8%とし、18年の予算より0.2ポイント引き上げる。財政収支や特別債の発行などの要素を総合的に考慮し、今後生じ得るリスクに対処できるようにする。19年の財政支出は6.5%増の23兆元強とする。

【金融】緩和と引き締めを適度なものにする必要がある。金利の市場化改革を進め、実質金利の水準を引き下げる。人民元為替レートの合理的な均衡水準での基本的安定を保つ。

【減税】大規模な企業向けの減税を実施し、増値税(付加価値税)の改革を進める。電気料金も平均10%下げ、中小企業向けの通信料も引き下げる。社会保険料負担も大幅に軽減。年間で企業の税負担と社会保険料の負担を2兆元弱軽減。

【産業振興】大衆による起業目的などの金融債の発行を奨励し、ベンチャー投資の発展をサポートする。知的財産権の保護を全面的に強化し、侵害に対する懲罰的賠償制度を整える。

【雇用】雇用対策を強化する。失業保険基金から1000億元を拠出し、延べ1500万人以上の労働者の技能向上と再就職・転職訓練に用いる。

【民生】デイサービスやリハビリ・介護などのサービスを提供する機関に対して、補助金の交付などで支援する。全面的な「二人っ子政策」実施後の新たな状況に対応すべく、託児サービス機関の民間運営などを支援する。

【消費】自動車消費を安定させ、新エネルギー車の取得税優遇政策の実施を継続する。農村の流通網を整え、電子商取引(EC)と宅配便の発展を支援する。

【インフラ投資】鉄道投資8000億元、道路・水運投資1兆8000億元を達成し、交通や災害対策などのインフラ投資にさらに力を入れる。次世代情報インフラの整備を強化し、昨年より400億元増やして5776億元を投資する。

【市場開放・一帯一路】越境ECなど新業態の支援策を改革して充実させる。市場参入条件をいっそう緩和し、より多くの分野で外資の独資経営を認める。市場の原則と国際的に普及しているルールに従って、「一帯一路」共同建設を促す。

【貿易戦争】中国は経済グローバル化と自由貿易を断固として擁護し、世界貿易機関(WTO)の改革に積極的に参与する。中米経済貿易協議を引き続き進展させる。中国は互恵協力・ウィンウィン発展を旨として、対等な立場での協議による貿易紛争の解決を一貫して主張する。約束したことは真摯に履行し、自らの合法的な権益は断固として守り抜く。

【通商】ハイスタンダードな自由貿易協定(FTA)網の構築を加速させ、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉、中日韓FTA交渉、中国・欧州連合(EU)投資協定交渉を推し進める。

【行政改革】汚職の根絶を推進し、会計監査を強化する。インターネットを活用した監察を実施し、作業を効率化する。

【国防】政治主導の軍隊建設を推進する。軍民融合発展戦略を実施し、国防科学技術革新のペースを加速させる。

【香港・台湾】(香港に高度な自治を認める)「一国二制度」の方針を貫徹する。台湾については「一つの中国」の原則を堅持し、「台湾独立」をもくろむ画策や行動に断固として反対する。

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