2019年7月16日(火)

一枚上手の相撲論(浅香山博之)

フォローする

横綱白鵬、復調のカギは心と体のバランス

(1/2ページ)
2019/3/8 6:30
保存
共有
印刷
その他

大相撲春場所は10日、エディオンアリーナ大阪で初日を迎える。1月の初場所で気になったのが途中休場した白鵬だ。昨年は6場所中4場所で休場、当たり前のように毎場所賜杯を抱いていた姿は過去のものになりつつある。33歳の大横綱は立て直していけるだろうか。

初場所は初日から10連勝して賜杯レースの先頭に立ちながら、11日目から元気なく3連敗を喫して途中休場した。4日目に右膝、5日目に左足首を痛めたという。序盤から危なっかしい、ばたついた相撲が多く、勝ち星を拾っているような状況だったし、本調子ではなかったように見えた。昨年10月に右膝などを手術して11月の九州場所を全休。調整する時間が足りなかった印象だ。それでも場所の途中から少しずつ乗ってきた感じもあったが、それだけでは上位と当たる終盤戦では勝てなかったということだろう。

初場所13日目、白鵬(手前)は突き落としで貴景勝に敗れた=共同

初場所13日目、白鵬(手前)は突き落としで貴景勝に敗れた=共同

現実とのギャップに苦慮も

白鵬は3月11日で34歳になる。38歳まで現役を続けた自分の土俵人生を振り返っても、やはり33~35歳くらいが一番きつい時期だった。今まで何でもなかった稽古で疲れるようになったり、寝て起きていればよかった若手の頃と比べてけがが治りにくくなったりと、いろいろな問題が出てくる。体力が落ちていっても、心の中は「まだまだできる」と思っていて現実とのギャップも生まれる。その中で体力を維持するために継続して体を動かしていかないといけないし、これまでの調整法を変えていく必要がある。だが、その方法が確立して体になじむまではとにかく大変だった。

白鵬はすでにピークは過ぎているが、強さを保ってきた。それがこの数年は休場やけがが増えてきた。最近は場所中の朝稽古で休養日を増やしているといい、肉体を維持するために試行錯誤しているのだろう。だが膝をはじめ下半身のけがが増えてくると苦しい。特に相撲は土台となる下半身が最も大事で、膝を曲げて取ることも多い。白鵬はこれまでうまく調整して本場所へ仕上げてきたが、ここから持ち直す作業は想像以上に難しいのかもしれない。

精神面も気がかりだ。白鵬は数字との戦いをモチベーションにしてきたが、昨年9月の秋場所で目標だった大台の幕内通算1000勝を達成。到達できそうな記録はほぼ成し遂げたと聞く。達成感で満たされてしまったらまた違うものに切り替えていかないといけない。記録を励みに相撲を取っていたのであればなおのこと、何かしら新たな目標を持ってやらないと気持ちが続かないと思う。記録とは別に2020年東京五輪まで現役を続けることも目標だそうだが、五輪まであと1年半。その1年半が今の状況では長く感じるのではないか。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

大相撲のコラム

電子版トップスポーツトップ

一枚上手の相撲論(浅香山博之) 一覧

フォローする
名古屋市内の千賀ノ浦部屋宿舎ですり足をする貴景勝。まだ22歳、しっかりと鍛え直せばいい=共同共同

 大相撲名古屋場所は7日、ドルフィンズアリーナで初日を迎える。先場所、右膝を痛めて途中休場した大関貴景勝は回復が間に合わず、かど番の今場所も初日から休場という決断になった。まずは何よりもけがをしっかり …続き (7/5)

春場所千秋楽の三本締めが問題となり、処分を協議するために開かれた日本相撲協会の理事会に向かう白鵬=共同共同

 大相撲夏場所は12日、両国国技館で初日を迎える。元号が令和に変わって最初の本場所を迎える前に、これまで昭和、平成と築き上げてきた相撲の伝統をいかに次世代へ受け継いでいくかという問題について考えておき …続き (5/10)

白鵬(中)は間もなく34歳、自分の体と相談しながらうまくケアをしていく必要がある=共同共同

 大相撲春場所は10日、エディオンアリーナ大阪で初日を迎える。1月の初場所で気になったのが途中休場した白鵬だ。昨年は6場所中4場所で休場、当たり前のように毎場所賜杯を抱いていた姿は過去のものになりつつ …続き (3/8)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。