光量子コンピューター研究 日亜化学が東大に寄付講座
東京大学大学院工学系研究科は4日、日亜化学工業(徳島県阿南市)の寄付講座「光量子情報処理学」を4月に開設すると発表した。同研究科の古沢明教授(物理工学)らが新講座の特任教授に就任。独自方式の光量子コンピューターの実現に向けた研究開発や研究人材の育成を進める。

寄付講座の設置期間は5年。日亜化学は年間5千万円、総額2億5千万円を寄付する。新講座の特任教授には古沢氏のほか高橋浩之、香取秀俊両教授が就く。
寄付講座では古沢教授らが量子テレポーテーションを応用した光量子コンピューターを研究。この実現に必要な超電導光子数識別器の開発を高橋教授が、超高精度の光格子時計の活用法に関する研究を香取教授がそれぞれ担当する。
記者会見した古沢教授は「寄付講座が終了する5年後までに光量子コンピューター開発のロードマップを作りたい」と述べた。
日亜化学の向井孝志・取締役研究開発本部長は「光産業に関わる企業として、新しい研究テーマの発掘に期待する」と語った。
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