2019年4月23日(火)

KDDI、災害時の被災者発見に携帯電波使う新技術開発

モバイル・5G
BP速報
2019/3/4 12:31
保存
共有
印刷
その他

日経クロステック

KDDIが開発した「無人航空機型基地局(ドローン基地局)」。写真は2019年2月15日に埼玉県ふじみ野市のふじみ野市運動公園野球場で実施した実証実験時のもの(出所:KDDI)

KDDIが開発した「無人航空機型基地局(ドローン基地局)」。写真は2019年2月15日に埼玉県ふじみ野市のふじみ野市運動公園野球場で実施した実証実験時のもの(出所:KDDI)

KDDIとKDDI総合研究所は2019年3月1日、災害発生時に要救助者を迅速に発見する携帯電話位置推定技術を開発したと発表した。ドローンに小型基地局を載せた「無人航空機型基地局」を被災地上空で飛ばし、倒壊した家屋やがれきの下にいる被災者を見つける手掛かりとして携帯電話機の位置を推定する。

既設の商用基地局による位置推定技術は、基地局自体の被災時に利用できず、契約者情報を基に接続認証を済ませた携帯電話機でなければ適用できない。そこで不特定の携帯電話が発する信号を基に、別の手法で位置を推定する技術を開発した。

位置推定には、携帯電話が基地局とやり取りするアクセス信号を使う。全地球測位システム(GPS)搭載のドローン基地局を被災地上空で飛ばし、アクセス信号を検知した時点の位置情報を記録する。携帯電話はドローン基地局との認証に失敗するため、再接続を試みる。複数回の接続時刻とGPS情報を基に、携帯電話の位置を推定できる。19年2月15日に埼玉県ふじみ野市で実施した実証実験では、推定した位置と実際の位置の誤差は最大で12メートル程度にとどまったという。

実証実験時の携帯電話捜索画面(出所:KDDI)

実証実験時の携帯電話捜索画面(出所:KDDI)

実証実験時は電波法や商用システムへの干渉を考慮して、5ギガヘルツ(GHz)帯の無線LANを使った。ドローンの機体に無線LAN機器と位置情報システムを搭載し、携帯電話(LTE)を模したアクセス信号による携帯電話の位置推定を実証できたとする。

実際の携帯電話網(LTE)での信号検知については、電波が漏れ出ないシールドルーム環境下で商用システムと同じ周波数、アクセス信号での検証を実施。また、17年12月14日の屋久島におけるドローン基地局実証実験の取得済みデータでも、今回の推定手法の有効性を確認できたという。

今回開発した位置推定技術は、KDDIが総務省から受託した「移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討」事業で開発したドローン基地局を応用したものである。災害時に人や車両が近づけない区域の通信障害を復旧させるだけでなく、救助者捜索にも役立てる。今後は自治体や救助機関に対してドローン基地局による位置推定技術への要望を聞き取り、災害救助での活用を目指す。

(日経 xTECH 高橋秀和)

[日経 xTECH 2019年3月1日掲載]

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報