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学生スポーツ改革へ越えねばならぬ「難題」

編集委員 北川和徳

大学スポーツ協会(UNIVAS)が発足した。ガバナンス(組織統治)欠如やリスク管理などさまざまな問題を抱える日本の学生スポーツの改革へ期待がかかる。ただ、大きな成果につなげるには難題が残っている。

加盟大学は発足時点で197校とほぼ目標を達成した。とはいえ「ほとんどの大学が様子を見ている状況です」(ある加盟大学の関係者)。年会費は10万円。ほかに具体的な負担は当面UNIVASと情報を共有する事務作業が増える程度。大半の加盟大学はとりあえず入っておいて損はないと判断したのだろう。

スポーツ庁の鈴木大地長官(左)にUNIVAS設立を報告する鎌田薫会長=共同

こんな消極的な理由ではなく、運動部をマネジメントするアスレチックデパートメント(AD)を設置する大学が続々と登場しなければ、真の改革にはつながらない。運動部の価値を認めて投資し、学生の成長や学校のブランド向上、地域への貢献など多くのメリットを手にする。そんな意志と覚悟を持つ大学が増えなければならない。

ところが、大学が運動部をマネジメントしようとすれば学生競技連盟(学連)との対立が避けられなくなる。運動部を実際に束ねているのは学連であり、大会や試合などに関わる権利は学連がほぼ独占しているからだ。そして、モデルにした全米大学体育協会(NCAA)とは違い、UNIVASには学連もメンバーとして加わった。

2018年春にいち早くADを設置して改革に取り組んでいた筑波大が参加を見送ったのもそのためだった。永田恭介学長はUNIVASの理念や目的に賛同しながら「大学と学連が同じ正会員の組織となるのは認められなかった」と話す。

UNIVASにとって計画している試合の映像配信や学生アスリートのデータを活用したビジネスなどの収益事業を展開するにも、現状では学連の協力が欠かせない。だが、学連に頼れば頼るほど、各大学の意識改革が進まないという矛盾を抱えることになる。

スポーツ庁はもちろんそれを承知の上で、門戸を広くして組織をスタートさせ、具体的成果を示すことで大学の意識を変える道を選んだ。将来の目指す姿を明確に示した、ぶれない組織運営が求められる。

(20年東京五輪まであと506日)

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