楽天、携帯電話網の運用管理にレッドハットを採用

2019/3/4 12:31
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日経クロステック

「MWC19バルセロナ」の楽天ブースで対談する、レッドハットのクリス・ライト副社長兼CTO(左)と楽天モバイルネットワークのタレック・アミンCTO

「MWC19バルセロナ」の楽天ブースで対談する、レッドハットのクリス・ライト副社長兼CTO(左)と楽天モバイルネットワークのタレック・アミンCTO

米レッドハットは2019年2月27日、楽天モバイルネットワークの携帯電話サービスのインフラ構築に、オープンソースのクラウド運用ソフト「Red Hat OpenStack Platform」が採用されたと発表した。

楽天モバイルネットワークの携帯電話サービスは、19年10月の商用サービス開始を予定している。同サービスの携帯電話網はコアネットワークだけでなく、基地局の制御などを担うRAN(Radio Access Network:無線アクセスネットワーク)にも全国規模で汎用サーバーと仮想化を導入するのが特徴だ。全国約4000カ所のNTTの局舎に、レイヤー2に相当するDU(Distributed Unit:分散ノード)とレイヤー3に相当するCU(Central Unit:集約ノード)という2種類のエッジコンピューターを設置する。

レッドハットはDUとCUの双方にOpenStackを提供。その上で米アルティオスターが開発したDU/CUの機能を担うソフトウエアを稼働させる。

日経 xTECH/日経コンピュータの取材に応じたレッドハットのクリス・ライト副社長兼CTO

日経 xTECH/日経コンピュータの取材に応じたレッドハットのクリス・ライト副社長兼CTO

レッドハットのクリス・ライト副社長兼最高技術責任者(CTO)はスペイン・バルセロナで開催された「MWC19バルセロナ」で、日経 xTECH/日経コンピュータの取材に応じた。

ライトCTOは、今回の案件の意義について「汎用的なハードウエアと標準的なソフトウエアを使いRANを仮想化することで、専用のハードウエアを使っていた従来のRANよりコストを低減できる。なかでも楽天モバイルネットワークは全国規模で完全な仮想化を実現しようとしている。世界中の通信業界が注目している案件だ」と強調した。

携帯電話事業者の間では、携帯電話網のコアネットワークに仮想化を導入する動きが広がっている。新たなサービスの導入時などに機能拡張しやすいほか、保守や加入者の増減に応じた処理性能の調整など運用の手間やコストを低減しやすいためだ。MWC19でもネットワーク機能の仮想化(NFV)をテーマに掲げたブースや講演が相次いだ。

一方で基地局を制御するRANの仮想化に対しては、「興味はあるが、十分な処理性能を出せるかという点で疑問が残る。しかも楽天モバイルネットワークのように全国規模で導入となると、ユーザーに迷惑をかける事態にならないか気になる」(国内の携帯電話事業者関係者)といった慎重な見方も根強い。

これに対しライトCTOは、「強固で安定したプラットフォームを構築できるエンジニアリング能力やオープンソースコミュニティーとの緊密な関係が当社の強みだ」とコメントした。

その上で楽天モバイルネットワークへの提供に際しては、「仮想マシン上でのパケット処理で高いパフォーマンスが出るよう、LinuxカーネルからOpenStackまで徹底的に検証するなど緊密に連携してきた。遅延に関してもリアルタイム処理向けLinuxの知見を生かして安定した処理ができるようにした」と語り、全国規模の基地局制御の仮想化に自信を示した。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)

[日経 xTECH 2019年3月1日掲載]

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