2019年6月26日(水)

マレーシア与党連合が敗北 州議会補選、政権に打撃

2019/3/3 17:00
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのスランゴール州議会スメニ選挙区の補欠選挙が2日投開票され、与党連合の候補が野党連合の候補に敗れた。首都クアラルンプール周辺のスランゴール州は、マハティール氏が率いる与党連合が野党時代から強固な地盤を築いてきた。1月の下院補選に続く敗北は、マハティール政権にとって打撃となる。

マハティール首相は補選の結果を受け、支持基盤の再構築を迫られる=AP

マハティール首相は補選の結果を受け、支持基盤の再構築を迫られる=AP

選挙委員会の発表によると、野党連合・国民戦線のザカリア氏が1万9780票を獲得し、与党連合・希望連盟の候補に1900票近い差をつけて勝利した。補選は与党連合の州議会議員の死去を受け、実施された。

2018年5月の総選挙で与党連合が勝利した選挙区での敗北は、マハティール政権の勢いの陰りを示した。とりわけ都市部のスランゴール州は政権交代前から、現与党連合の支持者が多い地域だっただけに衝撃は小さくない。与党連合は1月のパハン州の下院補選でも敗れた。同州は現在野党連合に属するナジブ前首相のお膝元で、18年5月の総選挙でも野党連合の候補が勝っていた。

今回は第三極のイスラム主義政党、全マレーシア・イスラム党(PAS)が候補者擁立を見送り、野党票が割れなかったという事情もあるが、マハティール政権への不満が高まっていることを如実に示す結果となった。

都市部の有権者の主な不満は、政権交代後も生活の苦しさが改善しない点にある。政府統計では5%近い経済成長率を維持しているものの、日々の暮らしで成長を実感できない国民が多い。

生活改善を訴えて政権交代したマハティール政権は18年6月、公約の目玉だった消費税の廃止に踏み切った。だが、同年9月に代替の売上・サービス税を導入。そのため消費税廃止による消費者の負担軽減効果は一時的なものにとどまった。

マレー系住民の多い地方では、長く政権を維持してきた現野党連合が今も一定の支持基盤を維持している。マレー系の間には、マハティール政権がマレー系住民の優遇政策を軽視しているとの不安が根強い。今回の補選結果は地方だけでなく、都市部でも有権者の離反が少しずつ進む厳しい現実をマハティール政権に突きつけた。

国民の支持率が下がれば、もともと4党の寄り合い所帯だった与党連合内のすれ違いや亀裂が表面化してくる可能性がある。歴史的な政権交代から1年もたたないうちに、マティール政権は試練の時を迎えている。

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