2019年7月22日(月)

「五輪の試金石」東京マラソン 運営や警備 検証の場に
雷門・銀座・東京タワー…重なるコース多く

2019/3/3 9:25 (2019/3/3 13:40更新)
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3万人以上のランナーが参加して3日開催された東京マラソン。浅草寺雷門(台東区)など名所を駆け抜けるコースは2020年東京五輪と重なる部分が多い。ボランティアの運営、警備体制など五輪に向けた課題を検証する機会にもなった。

都庁前をスタートする東京マラソンのランナー(3日、東京・西新宿)

都庁前をスタートする東京マラソンのランナー(3日、東京・西新宿)

3日午前11時過ぎ、ゴール地点の東京駅前には42.195キロを完走したランナーが次々に到着。愛知県の会社員、畠中啓郎さん(36)は「五輪とほぼ同じコースをトップランナーたちと走れたことは光栄だった。雨で寒かったが、逆にタイムにこだわらず楽しんで走れた」と笑顔を見せた。

東京マラソンと東京五輪のマラソンコースはスタートとフィニッシュ地点が異なるものの、銀座や東京タワーなど、世界的に知名度の高い観光名所を通過するコンセプトは共通している。

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は東京マラソンを「五輪マラソンの試金石」と位置づけ、17年に主催者の東京マラソン財団と協定を締結。今回は五輪運営に関わる各部門の担当職員を派遣し、競技の進め方、ボランティアや観客の動きを細かく確認した。

14年に44人でスタートした組織委は2千人規模に拡大している。ただ、五輪に関与したことのない職員が大半を占めており、担当者は「国内で最大規模の東京マラソンはノウハウを学ぶ貴重な機会。視察で得た経験をテスト大会や本番に生かしていきたい」と話した。

東京マラソンのボランティアが東京五輪・パラリンピックでの活動を希望するケースも多い。東京都町田市の主婦、鬼頭晃子さん(49)もその1人。五輪の大会運営に関わるボランティアに応募した。「東京マラソンはランナーやボランティア、沿道の人で東京が一つになる。五輪はそれ以上の盛り上がりになるかと思うとワクワクする」と期待を高めていた。

五輪に向け、大きな課題となるのは警備や交通対策だ。東京・霞が関の警視庁本部には指揮本部が置かれ、幹部らが警備や交通規制の実施状況を確認した。

同庁は主催者の東京マラソン財団やボランティアなどと合わせて約2万人を動員し、沿道警備や交通規制を実施。また、他の五輪競技会場に関係する警察署も視察に加わった。

昨年の大会で交差点や大通りに設置したイスラエル製の金属柵「車両突入防止用バリア」を、今年はコースにつながる細い路地にも増設。爆発物を探知する警備犬や、ウエアラブルカメラを装着し選手と伴走する「ランニングポリス」が出動した。不審なドローン(小型無人機)を大型ドローンで捕獲する「無人航空機対処部隊(IDT)」もコース周辺に配備され、警戒にあたった。

マラソン財団が開発した「さすまた」を裏側に収納した案内看板も計30本用意された。五輪では世界中から観客が集まり、報道機関の数も格段に増える。都心のコースで予期せぬトラブルが起きる可能性もある。重久真毅警備1課長は「今後も見直しを続けながら、五輪に備えたい」と話している。

■史上最多の33万人が応募

東京マラソンは今回で13回目を迎えた。東京五輪・パラリンピックを控えて関心は高く、史上最多の33万人の一般ランナーが応募。抽選倍率は12倍だった。

今回のコースは2017年の大会から採用されている。江戸情緒と巨大都市を感じられるルートを選び、ゴールは東京駅前。「東京駅舎を背景に、皇居を目の前にしてフィニッシュするなど、東京のすばらしい文化と歴史を見ながら走ってもらう」と、当時の舛添要一知事は説明した。

東京マラソンで浅草雷門前を走る市民ランナー(3日、東京都台東区)

東京マラソンで浅草雷門前を走る市民ランナー(3日、東京都台東区)

記録を狙う海外の有力選手が参加しやすいよう、アップダウンも極力減らされている。

東京マラソンは都などで作る組織委員会が運営していたが、11年の大会から東京マラソン財団に移管。財団は10年に財政基盤の強化や募金など関連イベントの充実を図る目的で設立された。

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