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高齢者狙い「アポ電強盗」 都内で3件、手口似る

東京都江東区のマンションで一人暮らしの80歳の女性が手足を縛られて死亡しているのが見つかった事件。事前に現金の有無を尋ねる「アポ電(アポイントメント電話)」がかかってきていたことなど、1~2月に渋谷区で起きた2件の強盗事件との共通点が判明した。警視庁は同一グループによる犯行の疑いがあるとみて、現場で目撃された3人組の行方を追っている。

2月28日午前11時ごろ、江東区東陽のマンション玄関に、上下黒い服でフードをかぶりマスクを着けた人物が入っていく姿を防犯カメラがとらえていた。数分置いて同じような服装の2人目、3人目も。そして約30分後、3人は一斉にマンションから出てきた。

同じ3人とみられる人物が近くに止まっていた軽自動車に急いで乗り込み、一方通行を逆走して走り去る様子も目撃されていた。

マンションの3階に住む加藤邦子さん(80)の遺体を、訪ねてきたケアマネジャーが発見したのは同日午後1時50分ごろ。加藤さんは粘着テープなどで手足を縛られており、室内には棚や引き出しを物色した跡があった。司法解剖の結果、加藤さんは首を圧迫されるなどして窒息死した疑いがあることが分かった。

加藤さんは2月中旬に「お金はありますか」という不審な電話を受けたと知人男性に相談していた。警視庁は強盗の標的を探し、家にある現金の額を確認する「アポ電」だった可能性があるとみている。

1~2月には渋谷区で類似の事件が相次いで発生していた。

1月11日未明、渋谷区初台の住宅に3人組が押し入り、90代の夫と80代の妻を縛ったうえ、現金約2千万円と宝石を奪って逃走。2月1日朝には渋谷区笹塚の住宅に3人組が押し入り、80代の夫と70代の妻を結束バンドで縛り、約400万円を奪って逃げた。

どちらの事件でも、事前に被害者宅に家族を装って「病気になったのでお金が必要」と尋ねるなど不審な電話がかかってきていた。

3つの強盗事件はアポ電や3人組という人数、押し入って手足を縛る手口などが共通しているうえ、渋谷区笹塚の事件で逃走に使われた車と、江東区の事件の車の通行記録にも類似点があることが判明。警視庁は3つの事件が同一のグループによる犯行の疑いがあるとみている。

「アポ電」は近年、オレオレ詐欺などの下調べの手口として目立つようになり、都内では2018年1年間に約3万4千件が確認された。前年と比べて約3割増加した。

息子を装って「会社のカネを使い込んでしまった。預金はどのくらいある?」と尋ねるなどし、その後、息子の知人などを装った詐欺グループの実行役が自宅を訪ねてくるといったパターンが多い。

渋谷区初台の強盗事件の現場近くでは、18年末ごろからアポ電のような不審電話が相次いでいたとされ、今回の3つの事件では当初から強盗の標的とする高齢者を探す目的でアポ電が使われた可能性がある。

警察幹部は「詐欺よりさらに粗暴な強盗という手段に出る者が現れ、今回は犠牲者まで出てしまった」と危機感を見せる。「預金や自宅の現金を尋ねるような不審な電話がかかってきても絶対に答えず、警察に通報してほしい」と呼びかけている。

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