モディ印首相、対話拒否の構え 「一丸となって戦う」

2019/2/28 22:25
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【ニューデリー=黒沼勇史】インドのモディ首相は28日、与党インド人民党(BJP)の会合で映像を通じて演説し「インドは一丸となって戦い、共に勝つ」と語った。インドとパキスタンはカシミール地方の実効支配線を越えて互いに空爆し合ったばかり。パキスタンのカーン首相はインドに対話による解決を呼びかけ、捕虜となったインド空軍パイロットを3月1日に解放すると公表したが、インドは対話に応じない構えだ。

拘束したインド空軍兵士とパキスタン側が主張する映像=パキスタン軍提供・AP

4~5月の総選挙に向けBJP党員を鼓舞する演説で、モディ氏は「私はインド軍を誇りに思う。インドは一丸となって戦い、共に勝ち、共に働く」と語った。パキスタンには触れなかったが「インドは自信に満ちている。インドはいかなる代償を払っても止まらない」と述べた。

インド空軍は26日、実効支配線を越えてパキスタン側を空爆し、27日にはパキスタンがインド側を空爆した。27日には空中戦も起き、撃墜されたインド空軍機のパイロットがパキスタンの捕虜になっていた。カーン首相は28日の議会演説で、捕虜を解放して「交渉と緊張緩和の第一歩としたい」と語った。パキスタンのクレシ外相も28日、地元メディアに対し、カーン氏がモディ氏と電話会談をする用意があると述べた。

緊張緩和を探る動きが水面下で始まっている可能性はある。トランプ米大統領は28日、訪問先のベトナムで記者団に対し「印パからはかなり魅力的なニュースが届いている」と述べた。

ただインド側は対話や交渉に応じない構えだ。

外国メディアと会見したインド政府高官は28日、トランプ氏の発言について「何を指した発言か不明だ」と述べ、パイロットの釈放も「対話開始の条件にならない」と明言した。「パキスタンがテロ対策で信用に足る行動を起こさない限り、インドは対話しない」とも繰り返した。カシミール地方のインド支配地で14日、パキスタンの武装勢力がインド警察隊を襲撃し約40人が死亡したことが今回の対立の引き金になったからだ。

印パ間では地上でも実効支配線を挟んだ銃撃戦が続いている。銃撃の規模や両軍の距離などは不明だが、インドメディアによると、銃撃戦は28日まで7日連続で発生した。インドによる対話拒否の姿勢が続けば、本格的な紛争に発展しかねず、米国など国際社会の介入が急務な情勢だ。

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