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四国の訪日客宿泊数 18年、過去最高も伸び鈍化

四国に宿泊した外国人が2018年に4県そろって過去最高となり、合計で93万4110人泊(速報値)と17年の確定値から11.3%増加した。節目となる「100万人泊」が目前に迫るものの、伸び率はここ数年、鈍化している。各県とも20年の東京五輪・パラリンピック開催を見据えつつ、インバウンド(訪日外国人)の取り込みへギアを上げようとしている。

観光庁が28日発表した宿泊旅行統計調査によると四国で外国人延べ宿泊者数が最も多かったのは香川県で9.3%増の52万7300人泊だった。中国、韓国など国際線4路線が運航する高松空港を生かして存在感を高めている。一方、伸び率のトップは22.5%増の21万8730人泊だった愛媛県で、松山―ソウル線の増便や市内中心部のホテルの新設などが寄与したとみられる。

4県の外国人延べ宿泊者数は、15年に56.9%増と高い伸びを記録したが、16年は47.2%増、17年は29.1%増と成長の速度は遅くなっている。18年は前年速報値との比較でも16.9%増にとどまり、勢いが弱まりつつある。19年には四国4県で100万人泊の大台に達する見通しだが、伸び率の鈍化が続けば足踏みする可能性もある。

四国に宿泊する外国人は、国内全体の1%程度。効果的な対策を打てずに大きな潜在需要を取り込めていない可能性が高い。各県は東京五輪も見据えて対策を急ぐ。

香川県では3年に1度の瀬戸内国際芸術祭が4月に開幕する。16年の前回開催の来場者に占める外国人比率は13.4%だったが、今回は20%に達するとの見方が出ている。県は各会場で香川の観光地や特産品の紹介に力を入れる。また、瀬戸大橋を観光資源として有効活用すべく、ライトアップの点灯日の拡大に向けて、19年度に岡山県と連携して鳥類への影響調査をする計画だ。

愛媛県では今秋にG20労働雇用大臣会合、日中韓の自治体首長らが集う国際会議の開催が予定されている。五輪イヤーを前に愛媛の魅力を発信する機会ととらえ、県産品のPRイベントや観光地を巡る海外メディア向けツアーなどを計画する。徳島県は香港、台湾でラッピングバスを走らせるなど知名度の向上に力を入れる。

高知県は2月から始まった自然体験型観光キャンペーンでの個人客誘致や旅行会社向けツアーを企画するプロデューサー役を在日外国人に委嘱。外国人が直接観光地を取材してSNSを通じて発信する取り組みも強化する。県国際観光課の小西繁雄課長は「外国人の目線を最大限に生かして観光地の魅力や改善点を提案してもらう」としている。

 四国4県の外国人延べ宿泊者数の国籍別の割合をみると、各県とも多くが中国、香港、台湾、韓国の4カ国・地域だ。欧米からは少なく、瀬戸内国際芸術祭の開催などで注目を集める香川県だが、欧州の割合は4%にとどまる。瀬戸内海を挟んで反対側の岡山県の8%と比べて見劣りする。広島県は欧米が34%を占め、欧米からの誘客は四国の課題となっている。
 香川県は巻き返しに向け、欧米やオーストラリアからの誘客促進に力を入れるべく、19年度に欧米・豪州向けのモデルルートを作成する。また、米国の富裕層をターゲットに情報収集に乗り出し、現地の旅行会社などへのプロモーションを検討する。
 高知県は重点市場にしている台湾や香港などに加えて、成田空港や関西空港の利用が多い米国や豪州などからの誘客を強化する。高知も中国など4カ国・地域が約8割を占め、米国は4%にとどまる。米国・豪州市場の開拓では在日外国人のコーディネーターを配置する計画だ。
 好調なインバウンドを背景に、四国ではビジネスホテルなど宿泊施設の稼働率も高水準となっている。今後も増加が期待される訪日客需要を取り込もうと、四国4県のホテル各社は対策を打つ。
 JR四国は28日、高知市に宿泊特化型のホテル「JRクレメントイン高知(仮称)」を建設すると発表した。JR高知駅近くの約2900平方メートルの自社用地に8階建てのホテルを建てる。客室数は190室ほどを予定し、2020年秋の開業を目指す。
 総工費は未定だが、規模がやや大きいJRクレメントイン高松(高松市)の総工費は約30億円だった。年4億円の売上高が目標で、記者会見した松木裕之常務は「高知はインバウンドの伸びしろがかなりある。地元と一緒になって対策を進めていく」と強調した。
 訪日客を取り込もうとサービスを充実させる動きも出ている。穴吹エンタープライズ(高松市)が運営するロイヤルパークホテル高松(同市)は、体験型の宿泊として「寿司体験プラン」を始めた。法被や和帽子を身にまとい、ホテルの料理長の説明を受けながら、にぎりずしや軍艦巻きなどを作ってもらう。

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