エナキス、都市ガス参入 長野・塩尻で5月から供給

2019/3/1 0:00
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LPガス販売のエナキス(長野県上田市)は、同県塩尻市内で都市ガス供給事業を5月から開始する。28日に経済産業省からガス事業法に基づく事業許可を得た。まず大口需要家向けに供給する。塩尻市は宅地開発が進む一方、ものづくり企業も集積しており、将来の都市ガスの需要拡大が期待できると判断した。県内で都市ガス事業に参入するのは55年ぶり。

都市ガス供給するために敷設工事を進めてい

エナキスが敷設する都市ガスの導管

同社は2018年9月、関東経済産業局に一般ガス導管事業許可を申請しており、同日許可が出た。今後、料金などの条件を定めた託送供給約款などの認可などを受けたうえで都市ガス事業を始める予定。

塩尻市役所の北方向にある約1平方キロメートルの区域で、都市ガスを供給する。すでに大口需要家が決まっており、5月からサービスを提供するが、その後は一般家庭向けにも供給を順次開始したい考えだ。年間販売量は約170万立方メートルを見込んでいる。

長野県内には国際石油開発帝石が様々なルートでガスパイプラインを敷設している。このうち山梨県から諏訪地域を経て松本地域へ延びるラインがある。同社はこのラインの途中にある塩尻市のバルブステーションから導管を分岐させて都市ガスを供給する。松本市や諏訪市などでは都市ガスが供給されているが、塩尻市は空白地域だった。

同社はすでに導管の敷設工事を開始している。距離で約3キロメートルの長さになるという。設備投資額は明らかにしていない。県内の都市ガス事業者は6社あるが、新規参入は信州ガス(飯田市)が1964年にサービスを開始して以来となる。

供給先の大口需要家は工場とみられる。一般に重油を燃料に使用している工場などが多いが、地球温暖化につながる二酸化炭素の排出量も多いほか、重油を扱う保守管理も必要になっている。都市ガスを利用すれば、二酸化炭素の排出量が重油に比べて少ないうえ、保守管理コストの削減にもつながる。

一般家庭向けの都市ガスは長所も課題もあるが、料金は一般的にはLPガスに比べて割安になる。今回の供給区域は塩尻市の市街地から離れているが、同市はものづくり企業も多く、松本市に隣接していることで住宅開発も盛んで、将来の都市ガス需要の拡大が期待できそうだ。

エナキスは長野市や佐久市などにも拠点を置いている。2018年7月に社名を「長野プロパンガス」から変更した。都市ガス事業への参入に備えての対応で、今後は総合エネルギー企業としての発展をめざす。17年度の売上高は約31億円。都市ガス事業の売上高目標は公表していない。

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