2019年6月26日(水)

パナソニック創業家、取締役外れる 幸之助氏の孫の正幸氏が退任

2019/2/28 18:01
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パナソニックは28日、創業者・松下幸之助氏の孫で副会長の松下正幸氏(73)が6月27日付で退任すると発表した。取締役も退き、特別顧問になる。役員から創業家がいなくなるのは、同社の100年の歴史で初めて。津賀一宏社長は経営改革へ社外人材の役員登用を進めており、松下正幸氏の退任は変わるパナソニックの象徴ともいえる。

松下正幸 パナソニック副会長

松下正幸 パナソニック副会長

松下正幸氏は現在、関西経済連合会の副会長を務めており、財界活動に専念する。退任は自身から申し出たとされる。パナソニックは2018年3月7日に創業100周年を迎え、同年秋には東京都内で創業100周年記念イベントを催した。節目を終え、社業から距離を置くことを決めた。

パナソニックの取締役は6月以降、社内7人、社外4人の計11人で構成する。松下正幸氏は津賀社長らの意見を尊重する基本姿勢をとってきた。退任後も経営への直接的な影響は大きくないとみられる。

パナソニックは1918年3月、23歳の松下幸之助氏が大阪府に一軒家を借り、妻と妻の弟と3人で「松下電気器具製作所」を立ち上げたのが始まりだ。当初は扇風機の部品や電気器具を手掛け、家電に進出。戦後の日本の経済復興とともに事業を拡大した。

幸之助は1961年1月まで、戦後の一時公職追放にあった以外は社長を務めた。2代目社長は娘婿の松下正治氏が引き継ぐなど一貫して松下家が役員に名を連ねてきた。幸之助の存在感はいまだ大きく、社員は毎朝「産業報国」など企業人の心得を説いた「七精神」と呼ぶ社是を唱える。

退任する松下正幸副会長は「現役役員に幸之助氏の考え方やひととなりを伝える語り部の役割を果たしてきた」という。

津賀社長は「ビジネスモデルの変革を議論できる人材」を求め、外部人材の登用を積極化している。2016年にメリルリンチ日本証券の調査部長だった片山栄一氏を執行役員に迎え、17年に元日本マイクロソフト社長の樋口泰行氏を代表取締役専務執行役員に起用した。樋口氏は30代でパナソニックを辞めた経緯があり異例の人事だった。

さらに17年に新事業創出の責任者に独SAPの日本法人のバイスプレジデントだった馬場渉氏も招き入れた。41歳の馬場氏は4月1日付で執行役員に昇格し、パナソニックの歴史上で最も若い役員になる。18年には米国籍のローレンス・ベイツ氏を法令順守や企業統治の専門家として招いた。初の外国人取締役だ。

幸之助の経営理念は今後も受け継ぐ。津賀社長は18年4月、新入社員に「これまでの100年は創業者が示した道を歩むことで発展してきた。次の100年は我々自身の手によって新しいパナソニックを築き上げていかなければならない」と語った。6月以降に在任8年目に入る津賀社長。ライフワークの「変わらないといわれてきたパナソニックを変える」(津賀社長)ことが実現できるのか。手腕が問われる。

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