2019年8月25日(日)

トランプ氏の元顧問弁護士、脅しは「約500回」

2019/2/28 17:31
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【ハノイ=中村亮】トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告は27日の議会公聴会で、トランプ氏の常軌を逸した言動を次々と明らかにした。同氏は2016年の米大統領選で勝利を想定せず、学業成績の開示を阻止するため出身校に法的措置をちらつかせて脅すようコーエン被告に求めてきたと説明した。元腹心の離反は不安定さを増す政権運営に追い打ちをかけそうだ。

「不正行為の隠蔽に加担したことを恥ずかしく思う」。コーエン被告は27日、約10年間にわたる親密な関係を振り返り反省した。トランプ氏の不倫相手とされる元ポルノ女優に口止め料を支払った件では、大統領夫人のメラニア氏に嘘の説明をしたと証言。「トランプ氏に従った日々を後悔する」と肩を落とした。

コーエン被告は「トランプ氏の調停者」と呼ばるほど同氏に信頼されていた。私生活のスキャンダルにも対処していた。

27日の公聴会では驚くべき発言が相次いだ。被告は、トランプ氏が16年の大統領選中もモスクワでのホテル事業を継続するよう被告に指示していたのは「(同氏が共和党の)予備選や大統領選での勝利を想定していなかったからだ」と話した。「彼はいつも選挙戦を営業のチャンスととらえていた」とも主張した。

トランプ氏とロシアとの不透明な関係にも言及した。ロシア政府に近い内部告発サイト「ウィキリークス」は16年7月、トランプ陣営と大統領選を争う民主党から大量の内部メールを流出させた。コーエン被告によると、トランプ氏は陣営の元幹部からメール流出を事前に告げられると「すばらしい」と述べた。

流出メールを提供したのはロシア軍の情報機関だ。仮に今後、選挙戦を優位に進めようとしたトランプ陣営がロシア政府関係者にメール流出を要請したなどの事実を突き止めれば、トランプ氏本人も共謀の罪などに問われる可能性が出てくる。

コーエン被告は、16年の大統領選の直前に同被告がトランプ氏の不倫相手とされる元ポルノ女優に口止め料を支払って女性スキャンダルの暴露を防いだ問題を巡っても新たな情報を開示した。口止め料は、トランプ氏が選挙戦で不利にならないよう助けた政治献金とされ、選挙資金法が定める上限を超えたため同被告は有罪判決を受けた。

カギはトランプ氏に共犯と疑われる行為があったかどうかだ。コーエン被告は公聴会で、口止め料を補填するためトランプ氏や同氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏から受け取った小切手を証拠として提示した。トランプ氏が口止め料の存在を認識していた事実を示し「(トランプ氏が)犯罪の枠組みの一部だった」と主張した。

コーエン被告はトランプ氏から「恐喝要求」を受けたことも明らかにした。トランプ氏の大学進学適性試験の結果や学業成績を公開しないよう出身校を脅せとトランプ氏から指示されたと証言した。トランプ氏の指示で個人や団体を約500回は脅したと説明した。

公聴会では、ベトナム戦争中にトランプ氏が虚偽の理由で徴兵を回避したとされる報道にも話が及んだ。コーエン被告によるとトランプ氏は同氏に不利な報道が続かないよう同被告に対応を求めた。トランプ氏は徴兵猶予を受けたとメディアに伝えるよう同被告に要求したが、その裏付けとなる診断書は存在せず、手術も受けていなかった。

コーエン被告は公聴会の日程が28日までハノイで開かれた米朝首脳会談と重なったことに触れて「大統領がいまベトナムにいることを皮肉に感じる」と強調した。トランプ氏は、ベトナム戦争で捕虜となり18年夏に死去したジョン・マケイン元上院議員と激しく対立したこともあった。

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