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楽天・ブラッシュ、打撃のモデルは仰天の…
編集委員 篠山正幸

(2/2ページ)
2019/3/5 6:30
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もっとも、本人に模倣の意識がない以上、先駆者がいる、などとといっては失礼だろう。このフォームは百パーセント、ブラッシュ・オリジナルなのだ。

フランコはカリブ海に浮かぶドミニカ共和国出身。ブラッシュはその東方にある米領バージン諸島出身だ。生まれには共通する部分があるが、なにせ30歳以上の年齢差があり、フランコのことは知るよしもなかった。

ブラッシュは米国時代のコーチに、王さんのフォームを参考にしてみてはとの助言を受けた

ブラッシュは米国時代のコーチに、王さんのフォームを参考にしてみてはとの助言を受けた

それにしても、王さんのフォームのどこをどうまねすれば、こうなるのか。

バットのヘッドが投手方向を向くという点に関しては、王さんのフォームも確かに大ざっぱな分類をすれば、同じ「科」に属するかもしれない。バットが地面と平行になるくらいヘッドが深く入り込むことはなかったけれども。

ブラッシュは両足をそろえて立つ。この点に関しては王さんが足を上げていたのに対し、ブラッシュは上げずにそろえているだけ、ととらえれば近縁種とみられないこともない。しかし、総合的にみると、やっぱりフランコ……。

ブラッシュは米国時代のコーチに、王さんのフォームを参考にしてみては、との助言を受け、意識するようになったという。たぶん、気持ちの上では今でも王さんなのだろう。フォームとは決して見た目のことばかりでなく、気持ちの問題でもあるのかもしれない。

まったく独自の形成過程をたどったはずのフランコとブラッシュのフォームが、かくも似てしまったことが面白い。

その相似は生物学でいう「収斂(しゅうれん)進化」を想起させる。

たとえば空を飛ぶ生き物たちの器官が、全く違う種なのに似てきたり、穴を掘るという共通目的のもと、ある種の哺乳類と昆虫の爪先がそっくりの構造を持つようになったりする、という現象だ。DNAの上では相当遠い距離にあるのに、同じ目的を持つことでそっくりさんになる、という不思議。

球を正確にとらえ、遠くに飛ばすという技術を追求した結果、フランコスタイルにたどり着いたと思われるブラッシュ。その進化の妙をじっくりと楽しみたい。

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