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「うっかりキャディー」に注意 ゴルフ新規則
編集委員 串田孝義

2019/2/28 6:30
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うっかりミス、は誰にだってある。前週の世界選手権シリーズ、メキシコ選手権の2日目、リッキー・ファウラー(米国)はその日のスタートホールの2打目をOBとし、同じ場所から打ち直す際のドロップを長年の習慣のまま肩の高さから行い、そのまま4打目を打ってしまった。

今年1月1日施行の新ルールでドロップは「膝の高さ」へと変更されている。間違いにすぐ気づき、やり直していれば問題なかったが、間違った方法でドロップした球はそのままプレーしてしまえば1罰打となる。

映像を見てもファウラーの心情はよく理解できる。右ラフからアイアンで放った打球は右の林へと消え、スイングのフィニッシュもそこそこにファウラーはそばのキャディーにボールを求めている。「やってしまった」という思いと「しょうがない、さあ次」と切り替える思いが交錯し、頭に血が上った状態で行ったドロップ。「30年近くずっとこれでやってきた」という旧ルール式になってしまったのも無理はない。実はこの「うっかりドロップ」、すでに1月から試合を行っている海外のツアーで頻発している。多くはその場で間違いを指摘され、やり直して事なきを得ているだけのこと。

トッププロゆえにうっかりミスも起こりやすい(競技委員の前でドロップするポール・ケーシー)=USA TODAY

トッププロゆえにうっかりミスも起こりやすい(競技委員の前でドロップするポール・ケーシー)=USA TODAY

ダイキンオーキッド(3月7~10日、沖縄県琉球GC)で開幕する国内女子ツアー。人のふり見て我がふり直せ、ではないけれど、新ルールをめぐるトラブルを開幕前に察知できているという点で、ラッキーといえるかもしれない。特にキャディーを後方に立たせてのアドレス確認の禁止をめぐってはすでに欧米のツアーの一部で混乱が生じ、適用基準が改めて明示されるなど早くも大きな動きが出ている。

昨年まで主に女子プロの試合でよく見られた、キャディーが後方から選手のアドレスの向きをチェックした後に横へ退くという動きは今年から禁じられた。これはスロープレーを避けると同時に「意図する目標を狙うことは選手が1人で克服しなければならない挑戦のひとつ」というプレーの本質を再確認する狙いがある。

ところが、ゴルフ規則における文言は「プレーヤーがストロークのためのスタンスをとり始めてからそのストロークを行うまでは、キャディーはどのような理由であってもプレーの線の球の後方延長線上やその近くに故意に立ってはならない」とあったため、さっそくその解釈をめぐって物議を醸す事態が続発した。

キャディーとラインを読むのはいいが、選手が打つ際、キャディーは後方に立ってはならない=AP

キャディーとラインを読むのはいいが、選手が打つ際、キャディーは後方に立ってはならない=AP

1月の欧州ツアー、オメガドバイデザートクラシックでは最終日最終組の李昊桐(中国)が最終ホールのパットを打つ際、キャディーが後方線上に立っていたとして2罰打を科され、3位で終えたはずの順位が12位まで落ちた。翌週の米ツアーでは「後方にキャディー」で2日目に科された2罰打が3日目に取り消しとなるなどルールの運用で混乱した。

いずれも選手側はキャディーからなんの援助も受けたつもりはない、と主張していた。それらを受けてゴルフルールを統括するR&Aと米国ゴルフ協会(USGA)は「後方にキャディー」問題の詳説を追加的に発表、キャディーが後方に立った場合に「故意」とみなされる例を示すなどして運用基準を明確にした。

さて、こうした新ルールの試行錯誤がいくつか進んだ上で迎える国内女子ツアーの開幕。満を持してといきたいところだが、海外の事例をみるにつけ、うっかりミスが出るのはやむを得ないところ。しかも「後方にキャディー」をショットルーティンに組み込んでいた選手はいくら準備していようといざ試合となれば慣れるのに苦労するだろうし、ショット成功率にも影響が表れそうだ。

選手のみならず、キャディーもつい昨年までの習慣で選手の後方に無意識で動いてしまう危険はある。それに備え、選手はどうすればよいのだろう。スタンスを定めるルーティンとして後方を確認する作業を加えておくのも一手か。もし「うっかりキャディー」がいたら、構えた足をずらしていったんスタンスを解けばいい。少なくともペナルティーは回避できる。

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