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ライチョウ生息地復活へ 中央アルプスで50年ぶり確認

環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているニホンライチョウの雌1羽が昨年7月、長野県の中央アルプス駒ケ岳(2956メートル)で見つかった。南北アルプスには生息しているが、中央アルプスでは絶滅したと考えられており約50年ぶりの発見。環境省はこの雌にほかの個体の受精卵をふ化させて数を増やす事業に6月から乗り出し、生息地復活を目指す。

中央アルプスの駒ケ岳で確認された雌のニホンライチョウ(2018年11月4日、中田昌宏氏撮影)=共同

環境省信越自然環境事務所によると、ライチョウは1980年代に約3千羽が南北アルプスなどの高山帯に生息していたが、2000年代初頭には約1700羽に減少した。キツネやテンといった低山にいる動物が山に登り食べてしまうほか、餌となる高山植物の不足などが原因と考えられている。

特に中央アルプスでは69年5月を最後に目撃がなかった。もともと生息数が少ない上、登山者の増加やロープウエー建設などで環境が悪化したことも影響したという。

しかし18年7月、登山者が駒ケ岳の標高約2900メートル付近で雌1羽を撮影し、信州大の中村浩志名誉教授(鳥類生態学)らの調査で巣と卵を発見。11月にも2回、同一の個体とみられる鳥が目撃された。遺伝子調査や卵の状態からこの雌は北アルプスから飛んできたとみられることや、少なくとも約1年2カ月、中央アルプスで生息していることが分かった。

環境省は、現在でもライチョウの生息できる環境が中央アルプスに残っていると判断し、個体数を増やす取り組みを始めることにした。

毎年6月に約2週間の産卵期に入り6~7個の卵を産む特性を利用。今回の雌も今年6月に産卵期に入るが、雄と交尾をしていない無精卵の可能性が高いため、北アルプスから持ってきた別の受精卵と交換して育てさせる。ひなが生まれ、成鳥後につがいとなってさらにひなを産むことで、徐々に中央アルプスで数を増やしていく計画だ。

同環境事務所自然保護官の福田真さんは「ライチョウがしばらくいなかった地域で生息できる環境が残っていることが分かり、うれしい驚きだった。環境さえ整っていれば復活するチャンスがある。見つかった1羽を今後の保全活動に生かしたい」と話した。

〔共同〕

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