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不安定な環境下こそ分散投資の基本を(投信観測所)

2019/2/28 12:00
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2018年末にかけて、米中の貿易摩擦の激化などを背景に、世界の株式相場は大きく下落した。年明け以降は米国の利上げ一時停止観測などから持ち直したものの、引き続き世界景気の先行き不安など懸念材料は多い。相場が荒い動きを続けるなかで、保有する投資信託の価格変動も不安定になりがち。このような時期にこそ保有投信の内容を改めて点検し、安定的なリターンが期待できるポートフォリオ作りに取り組みたい。

投信の価格変動リスクを抑える方法のひとつが資産分散で、分散効果のある投信の組み合わせを探すには「相関係数」という統計指標が有効とされる。投信間や指数などの値動きの連動性をみる指標で、+1~-1までの値をとり、+1に近づくほど似た値動き、-1に近づくほど逆の値動き、0は値動きに関係がなかったことを示す。相関係数が低い投信(値動きの傾向が異なる投信)同士を組み合わせると、価格変動リスクを低減しながら一定のリターンを狙う分散投資の効果が期待できる。

今回は(1)相関係数の大きさから組み合わせ候補となる分類を選定(2)組み合わせる個別投信を抽出(3)組み合わせる投信の配分比率を決定――という手順で2本の投信に投資した場合の分散効果を検証した。

相関係数は長期の計測期間の方が安定した数値となるため、20年程度の超長期で測るのが理想的。ただ、多くの投信は運用期間が20年に満たないため、一般的に10年間での計測も用いられる。

主要な投信分類について10年間の相関係数を見ると大半はプラスの数値で、各資産の値動きには連動性があるのが分かる(表A)。唯一マイナス値が現れたのは国内債券型との組み合わせで、一見すると国内債券型と他の分類を組み合わせると大きな分散効果が期待できそうだが、国内債券型は価格変動率が小さいため、実際にはさほどのリスク低減効果は見込めない。値動きがより大きく、相関係数が小さな分類同士を選ぶとすると、相関係数が0.29の先進国債券型と国内REIT型の組み合わせが候補になる。

次に、個別投信選びでは日経電子版の投資信託サーチ(詳細版)機能を使い、先進国債券(投資適格)型と国内REIT型について、以下の条件で絞り込んだ。

(1)QUICKファンドリスク[注]:2~5*(価格変動リスクが小さい投信を除外)

(2)設定後年数:10年以上(相関係数の計測期間を満たす)

(3)純資産総額: 1,000億円以上(対象を大型投信に限定)

[注]基準価格の大きさを表す指標で、価格変動リスクが最も小さい「1」から「5*」まで6段階で表示。

その結果、組み合わせ対象の候補となった投信のうち、最も規模の大きい投信の組み合わせは、分類内で純資産総額首位同士の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」(以下、「グロソブ」)と「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」(以下、「J-REITリサーチ」)となった。

最後に、組み合わせ投信の配分比率を考える。それぞれの投信の過去10年間の月次リターンをもとに相関係数(0.296)を算出。各投信のリターンとリスクの配分比率を5%ずつ変更して価格変動リスクが最も小さくなる比率を検証すると、「グロソブ」80%と「J-REITリサーチ」20%という比率になった(図B)。

上記の検証結果を受けて、具体的にどのような投資行動が考えられるだろうか。もともと「グロソブ」を保有している投資家なら、「グロソブ」の4分の1程度の金額で「J-REITリサーチ」を追加購入すると、保有資産の価格変動リスクが「グロソブ」単独保有時より安定する。

反対に、足元で好調なリターンを享受していると思われる「J-REITリサーチ」を単独保有している投資家はどうか。「グロソブ」との分散投資によりポートフォリオのリターンが低下してしまう面はあるが、中長期保有を前提として安定的なリターンを期待するなら、中核資産として海外債券型の追加保有を検討してみる価値はあるだろう。

(QUICK資産運用研究所 大沢崇)

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