高齢者3人に1人が投資未経験(市場点描)
65歳以上の高齢者の34%が投資の経験がこれまで全くない――。フィデリティ投信が高齢者を対象に実施した調査でこんな実態が明らかになった。60歳以上が日本の家計金融資産の約3分の2を保有しているとされるが、その高齢者層で「貯蓄から投資へ」のシフトが十分に進んでいない様子がうかがえる。
昨年12月に65~79歳の男女にインターネットを通じてアンケート調査し、約1万2000人から回答を得た。過去に投資経験のある人を含めると、全体の5割以上が現在投資をしていないという。投資をしない理由としては「まとまった資金がない」が44%、「投資で資金が減るのがいや」が36%だった。
自分の金融知識の水準を正しく把握できていないことも投資に踏み出せない一因になっているようだ。フィデリティは自身の金融知識が同年代に比べて高いか低いかを尋ねたうえで金融知識を問うクイズを実施。クイズの得点よりも自己評価が低い「過小評価型」が18%だった。
一方、得点よりも自己評価が高い「自信過剰型」の人は金融詐欺に遭った比率が平均よりも高いという結果も出た。金融リテラシーを高めることは資産を増やすだけなく、守ることにもつながりそうだ。
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