2019年7月22日(月)

オリンパス、AI診断で大腸がんを早期発見

2019/2/25 18:28
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オリンパスは25日、内視鏡と組み合わせて大腸がんなどの早期発見に使う人工知能(AI)診断ソフトウエアを3月8日に発売すると発表した。価格は450万円で、同社が昨年に発売した内視鏡と組み合わせて使う。関連機器と合わせて今後3年間で30億円規模の売上高を見込む。さらに他社とも連携し、病気の診断で使えるソフトをそろえていく構えだ。

オリンパスのAI診断プログラム「エンドブレイン」

オリンパスのAI診断ソフト「エンドブレイン」は大腸のポリープを撮影し、後にがんになる恐れがあり切除しなければならない「腫瘍性ポリープ」かどうかの確率を判定する。内視鏡を使った診断は熟練した技術が必要。AIを使えば若手医師らでも病気を的確に診断しやすくなる。

内視鏡関連のAI診断ソフトとして、国内で初めて医療機器の承認を得た。最大520倍に拡大し、細胞の核まで観察できるオリンパス製の内視鏡と組み合わせて使う。ポリープの血管や色素を散布して染色した細胞核の画像から、腫瘍性であるかを判定する。熟練医以外の検査では正答率が7割前後なのに対し、AIでは9割以上だった。熟練医の判断と比べても精度は互角だという。

不要な作業を減らす効果も見込める。内視鏡の観察で判断できないポリープは通常、組織を採取して精密に検査する。実際には腫瘍ではない組織まで検査に回されているのが現状だ。AIを参考に現場での判断の質が高まれば、検査に携わる医師らの人手不足解消につながる可能性がある。

オリンパスは今回のプログラム以外にも医療関連のAI開発を進めている。主力の内視鏡分野では、次期基幹システムにAIを活用した診断支援技術を搭載する方針。一方でAIに国際標準はなく、診断する病気によってもプログラムは異なる。「自前でやる部分もあるし、外部との様々な組み合わせもある」(竹内康雄副社長)という。

自社の研究開発以外では医療AIを手掛けるエルピクセル(東京・千代田)に出資するなど、スタートアップとの連携にも積極的だ。今回のエンドブレインも昭和大学や名古屋大学、富士ソフト傘下のサイバネットシステムが開発した。

オリンパスは消化器内視鏡の分野で世界シェア7割だが、内視鏡市場で成長が見込まれるのは主に新興国だ。内視鏡システムそのものだけでなく収益拡大に向けて診断支援のプログラムや外科手術で使われる機器など、周辺領域の強化を進めている。

(諸富聡)

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