韓国フェミニズム小説の著者と川上未映子が対談

文化往来
2019/3/2 6:00
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韓国女性が経験する様々な差別を描き、同国でミリオンセラーとなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の著者、チョ・ナムジュがこのほど来日し、作家の川上未映子と対談した。

「82年生まれ、キム・ジヨン」著者のチョ・ナムジュ(左)と川上未映子

「82年生まれ、キム・ジヨン」著者のチョ・ナムジュ(左)と川上未映子

「キム・ジヨン」には日本でも多くの女性が共感を示す。昨年末、筑摩書房から刊行され8万部を突破した。川上は「共感」に加え「正しさ」をキーワードに挙げ「この小説が持つメッセージは政治的にも個人的にも正しい。オピニオンではなく、正しい小説を書くには勇気と戦略がいる」と指摘した。

チョは「現代を生きる女性を書き残したいというのが出発点」と応じ、韓国では多数の犠牲者を出した2014年のセウォル号沈没事故や朴槿恵(パク・クネ)前大統領を退陣に追い込んだ抵抗運動を通じた痛みや悲しみ、正義に対する共通の感覚があり、それらを扱う小説が多く書かれていると背景を説明した。

白水社からは、韓国作家7人によるフェミニズム小説集「ヒョンナムオッパヘ」も邦訳刊行された。表題作を著したチョは、対談に先立つ記者会見で「自立した女性が男性との間では自尊感情を保てず、暴力を受ける関係から抜け出せないのはなぜか」をテーマにしたと語った。女性が胸の奥底に沈めてきた思いを吸い上げる姿勢は一貫している。

(桂星子)

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