再びの「辺野古ノー」にも思い様々 県民投票終えた有権者
沖縄の選択

2019/2/25 10:50
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米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、反対が7割超を占めた24日の県民投票。移設反対派が勝った2014年、18年の知事選に続き、またも県レベルの投票で「辺野古ノー」の民意が示された。一方で市街地に居座る普天間基地の撤去が遅れることへの不安もなお根強い。投票を終えた有権者は改めて複雑な思いをにじませた。

沖縄県民投票から一夜明けた米軍普天間基地(25日午前、沖縄県宜野湾市)

沖縄県民投票から一夜明けた米軍普天間基地(25日午前、沖縄県宜野湾市)

県民投票から一夜明けた25日午前、宜野湾市では曇り空の下、多くの人が普段と同じように通勤する光景がみられた。街の中心部に位置する普天間基地では、滑走路に輸送機オスプレイが整然と並び、轟音(ごうおん)を上げながらヘリが飛び立った。

同市の会社員男性(45)は賛成票を投じた。自宅から見上げた空で、米軍ヘリ同士がぶつかりそうになるのを見たこともある。「これで普天間の閉鎖は遠のいた。最初から反対のための投票だったのではないか」と不満の表情を浮かべた。

移設先の名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブのゲート前では25日朝も、反対派が投票結果が載った新聞を基地の方に向けるなどして移設反対を訴えた。辺野古地区に住む無職女性(91)は反対に投票。「反対多数で改めて安心した」としつつ「投票しなかった人も多かった。県民全員が投票していたら、ここまで反対多数にはならなかったかもしれない」とも話した。

名護市の会社員男性(28)は「法的拘束力がなく、反対多数で移設が止まるわけでもない」と県民投票の実施に疑問を抱く一方、学生時代に宜野湾市に住んでいた経験から「あんな街のど真ん中で事故が起きたりしたら……」とも感じていた。「普天間の早期返還を求めるためにも今回は賛成した」と話した。

県民投票に当初不参加を表明しながら、「どちらでもない」の3択目が加わったことで一転して参加となった沖縄市。会社経営の男性(69)は23年前にも行われた県民投票で、日米地位協定の見直しや米軍基地の整理縮小に賛成した。今回も「米軍との関係は日本全体で築いていくべきで、基地は本土にももっと分散してほしい」と、移設反対の票を投じた。

だが同時に「前回に比べてもやもやする。投票をやる意味や、3択が正しく民意を反映できるのかなど不明瞭な点が多い」と"消化不良"の感想も口にした。

沖縄市の会社員、金城直樹さん(37)は「辺野古移設にはメリット、デメリットのどちらもある」との理由で「どちらでもない」を選んだ。移設による地域振興は歓迎だが「辺野古の海に土砂が投入された瞬間はさすがにショックを受けた」。悩んだ末の"3番目"の選択を「2択だったとしても投票には行ったと思うが、今回は3択でよかった」と振り返った。

同様に「どちらでもない」に投じた那覇市の会社員、大城学さん(42)は、辺野古移設についてしっかり考えて意思表示できる初めての機会だったとして、これまで以上に真剣に考えたという。「知事選よりも県民同士の議論が活発にでき、自分と違う意見に納得する面もあった」

大城さんは「結果がきちんと出たので、県は県民の葛藤と姿勢を国などに伝えてほしい。国も向き合った上で議論に応じ、いろいろな道を探す努力をして」と訴えた。

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