2019年7月18日(木)

民間の月探査も加速 ispaceを大企業が支援

2019/2/22 15:00
保存
共有
印刷
その他

宇宙スタートアップのispace(アイスペース、東京・港)は22日、同社が描く探査機の打ち上げ計画に日本航空、三井住友海上火災保険、日本特殊陶業の3社が参画すると発表した。3社は資金面で支援するだけでなく、探査機の組み立てや、月での実証実験に協力する。世界でも珍しい民間企業の月面探査を大企業が支援する。

ispaceが都内で開いたパートナー企業の発表会見(左端が袴田武史CEO)

アイスペースは米スペースXとロケット打ち上げ契約を結んでおり、2020年半ばに月を周回する探査機、21年に月面に着陸する探査機の打ち上げを予定する。3社はこの2つの打ち上げを協賛する。アイスペースは今後もパートナー企業を増やす考え。袴田武史最高経営責任者(CEO)は記者会見で「今後の宇宙産業は民間主導だ。大企業と技術やサービスで協業し、宇宙ビジネスの裾野を広げたい」と語った。

日本航空は整備子会社のJALエンジニアリングを通じ、月面探査機の組み立てや燃料パイプの溶接、品質検査を担う。三井住友海上はアイスペースが目指す商業月輸送サービスに向け、荷物にかける「月保険」の設計で協力する。20年、21年の探査機打ち上げでも保険を提供する。

日本特殊陶業は21年に月を目指す探査機に全固体電池を搭載し、月面で実証実験をする。全固体電池は現在主に使われているリチウムイオン電池より幅広い温度のもとで機能し、宇宙空間での活用が期待される。夜間はセ氏マイナス150度に達するなど、過酷な月面の環境で性能を試す。

アイスペースは将来、月への物資輸送サービスや月面での水資源開発など、月を基点にしたビジネスの展開を思い描く。INCJ(旧産業革新機構)のほか、日本航空やKDDIなどから出資を受け、17年に宇宙スタートアップとして巨額の100億円超を調達済みだ。

現在は探査機の細部の設計や、試験機の製造を進めている。22日にはイスラエルの民間団体「スペースIL」が月面探査機を打ち上げるなど、国際的に月開発の動きが活発だ。袴田CEOは「小型で軽い探査機を作る技術に強みがあり、世界でもいい位置にいる」と自信を見せた。

同日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」への着陸に成功した。袴田CEOは「素晴らしい成果。惑星探査の技術が確立され、民間企業が活用できれば新たな市場が生まれる」とビジネスへの波及効果に期待を示した。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。