2019年5月21日(火)

ミャンマー、ロヒンギャ問題の州で投資フェア
水産業や観光業など

東南アジア
アジアBiz
2019/2/22 14:48
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【タンドウェ=新田裕一】ミャンマー政府は22日、西部ラカイン州の観光地タンドウェで投資フェアを開いた。同州北部で発生したイスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題で、ミャンマーは国際社会の非難を浴びる。政府は経済開発の遅れによる貧困問題を「民族共存」が長続きしない一因とみており、水産業や観光業など同州の資源を生かした投資を呼びかけた。

ラカイン州投資フェアで基調講演したアウン・サン・スー・チー国家顧問(22日、ラカイン州タンドウェ)

ラカイン州投資フェアで基調講演したアウン・サン・スー・チー国家顧問(22日、ラカイン州タンドウェ)

投資フェアにはアウン・サン・スー・チー国家顧問をはじめ複数の閣僚が出席した。スー・チー氏は基調講演で「国際社会は州北部の問題にしか目を向けず、ラカイン州の可能性を見過ごしている」と指摘し、「安定と繁栄を持続可能にするには(同州の)経済的課題を解決する必要がある」と強調した。

ラカイン州はインド洋に面し、水産資源やビーチに恵まれる。その一方で最大都市ヤンゴンなどに比べ道路や電力といったインフラ整備が遅れている。ラカイン州はビルマ族に征服されたアラカン王国の文化を引き継ぐ。同州の人々には「中央政府によって開発が後回しにされた」との不満もある。

ラカイン州投資フェアで展示ブースを視察するアウン・サン・スー・チー国家顧問(22日、ラカイン州タンドウェ)

ラカイン州投資フェアで展示ブースを視察するアウン・サン・スー・チー国家顧問(22日、ラカイン州タンドウェ)

ロヒンギャ問題の影響を受け、ミャンマー全体で外国投資の機運が後退した。このため、政府はラカイン州のイメージ改善に躍起だ。日本やタイなどの企業関係者ら500人以上が参加し、地方で開かれる投資イベントとしては異例の規模となった。

投資フェアの開催では日本貿易振興機構(ジェトロ)と国際協力機構(JICA)が開催費用の大半を拠出した。日本政府は欧米と一線を画し、スー・チー政権に「寄り添って問題に対応していく」(河野太郎外相)との立場だ。

投資フェアが開かれたタンドウェは長い砂浜が広がり、リゾート施設が並ぶ観光地。フェアに参加した日系商社の関係者は「すぐに大型投資をする状況ではないが、これを機にまず商取引が始まり、いずれ事業投資につながっていけばと期待している」と語った。

ただ政府は、長年同国内に住んできたロヒンギャに対してミャンマー国籍を認めることにはなお消極的だ。隣国バングラデシュに逃れた70万人以上の難民の帰還にもめどが立っていない。仮に経済開発が進んでも、ロヒンギャの人々が「置き去り」となる恐れもある。

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