2019年9月16日(月)

生産判断40カ月ぶり下げ、2月の月例経済報告

2019/2/21 21:06
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中国を中心とした世界経済の成長鈍化が日本経済に影響を及ぼしている。政府は21日に発表した2月の月例経済報告で、14の景気判断項目のうち「生産」を40カ月ぶりに下方修正し、「企業収益」も引き下げた。中国向けの電子部品などの落ち込みが響いた。全体の景気判断は据え置いたものの、先行きを不安視する指摘も出ている。

政府は1月の月例経済報告で輸出の判断を下方修正している。輸出の鈍化が生産や企業業績に連鎖しており、2月の判断では戦後最長となる景気回復を支えてきた生産や企業収益の項目を相次いで引き下げた。

生産の下方修正は2015年10月以来、40カ月ぶりとなる。1月までは「緩やかに増加」としていたが、2月の判断では「一部に弱さがみられるものの、緩やかに増加している」とした。

電子部品などの海外向け出荷の減速を反映した。特に注視したのは日本の主力輸出品である半導体。データ保存に使うメモリーやスマートフォン(スマホ)搭載カメラなどに使うCCD(電荷結合素子)の生産が鈍化している。19年の世界の半導体設備投資が18年比で減少する見通しとなった点を判断材料とした。

電子部品の主要輸出先である中国は18年、実質成長率が28年ぶりの低水準となった。米中貿易戦争の影響が本格化した秋以降、スマホや自動車、ロボットなど主要製品の生産が軒並み急減。日本から中国への輸出は1月に前年同月比17%減と2カ月連続で減少した。

輸出と生産の下振れは企業業績に直結する。政府は10~12月期の上場企業の業績をふまえ、2月の月例報告で「企業収益」も「高い水準にあるものの、改善に足踏み」と1月の「改善」から下げた。下方修正は16年6月以来、32カ月ぶり。

一方、全体の景気判断は「緩やかに回復」を14カ月連続で据え置いた。理由について、茂木敏充経済財政・再生相は21日の記者会見で「生産活動全体としては緩やかに増加しているとの基調は変わっていない」と説明。雇用や所得の改善が続き、個人消費も「持ち直している」を維持していることも根拠とする。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二氏は株式相場の持ち直しや公共投資の増加見通しといった景気の下支え要素があり、「判断を大きく引き下げるほどの状況ではない」とみる。

ただ、先行きの景気下押しリスクを不安視する声も出ている。野村証券の美和卓氏は「内需はしっかりしている」とした上で、「日本の実質輸出は中国成長率と連動する」とも指摘する。

19年前半は中国経済の落ち込みが大きいと想定し、19年度は日本から世界への実質輸出が従来想定より下ぶれると予想する。明治安田生命保険の小玉祐一氏も、中国の成長鈍化が一時的なものかの見極めが必要とした上で「日本景気にとって今が正念場」とみる。

政府は2月の判断で世界景気も2カ月連続で引き下げた。1月に中国を下げ、2月は台湾やユーロ圏、ドイツ、英国を下方修正した。茂木氏は「通商問題や中国経済の先行きなどリスク要因を注視する」と述べた。

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