上諏訪駅東口の再開発ビル 核店舗が開業

2019/2/21 22:00
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長野県諏訪市のJR上諏訪駅東口の再開発事業で、商業棟「アーク諏訪」が完成した。21日は核店舗の食品スーパー「ツルヤ」などが開店した。5月には諏訪市の市民交流施設も開業する。8年前に閉店に追い込まれた地元百貨店などの大規模跡地は、官民連携でにぎわいを取り戻す場としてスタートを切った。

上諏訪駅前の再開発事業で食品スーパーのツルヤが店舗を開店した(21日、諏訪市)

JR上諏訪駅東口駅前に完成した商業棟「アーク諏訪」にはスーパー「ツルヤ」のほか、諏訪市の市民交流施設も入居する

東口再開発は不動産開発の諏訪駅前開発(同市)が事業を手がけており、敷地面積は約1万1500平方メートル。商業棟と住居棟からなる。

商業棟「アーク諏訪」は3階建てで店舗面積は3344平方メートル。1階では21日、食品スーパー経営のツルヤ(同県小諸市)が諏訪地域で初の店舗となる「上諏訪店」をオープンした。2階ではドラッグストア「マツモトキヨシ」や雑貨店などが同日営業を開始した。他にクリニックなどが設置される予定。

21日朝のツルヤの開店式で金子ゆかり・諏訪市長は「開店を契機に諏訪の新たなスタートが切れること、にぎわいの場が戻ってくることを期待します」とあいさつした。

諏訪市も商業棟の3階を取得して公共スペースにする。放送大学長野学習センターが4月6日に開所する。5月18日は同市が運営する「諏訪市駅前交流テラスすわっチャオ」が開業する。地域住民によるワークショップで機能を検討した施設で、「多世代・多機能・多目的」を基本に会議室やフリースペース、キッチン、バンドやダンス用のスタジオなどを備え、様々な世代の住民が集う場にする。

商業棟に隣接する住居棟は建設中。10階建て分譲マンション「ポレスター上諏訪駅前テラス」で、19年11月完成予定。

にぎわいの場の再生では地元商店街にも期待の声があがっている。「本町二丁目上諏訪駅前通り商店街」は3月10日まで、商業棟利用者を対象に各店舗で割引サービスなどを始める告知を掲示した。

東口駅前には「まるみつ百貨店」が立地していたが、経営に行き詰まって11年に閉店した。生鮮食料品を購入できる食品スーパーが駅周辺にはなく、自動車に乗らない高齢者を中心に「買い物難民」が発生した。その後、諏訪駅前開発が隣にあった商業施設「スワプラザ」と合わせて再開発に乗り出した。

諏訪商工会議所は「駅前に出ると古いビルの解体中で来客の評判が悪かったが、これで変わる。自動車に乗らない高齢者などの消費者の流れも変わるだろう」と話す。

■市、駅前整備に力

長野県諏訪市はJR上諏訪駅周辺のにぎわいの場づくりのため、2019年度予算案に多額の事業費を計上した。「アーク諏訪」にできる「駅前交流テラスすわっチャオ」の整備に13億9800万円、管理に7600万円を予定している。

さらに諏訪観光協会の観光案内所が上諏訪駅の旧びゅうプラザへ移転する費用を補助するため、100万円を計上した。

上諏訪駅の周辺整備関係ではこのほか、西口と諏訪湖畔をつなぐ道路の整備事業にも取り組んでおり、19年度は6億1200万円の予算を予定している。

こうした大型事業が本格化するため、同市の19年度予算案は一般会計で前年度比11.2%増の213億8000万円と、過去最大規模になった。

上諏訪駅も特急「あずさ」の停車本数が減少するが、諏訪市は駅前周辺整備に力を入れることで商圏の強化につなげようとしている。

長野県の2015年度の商圏調査結果によると、諏訪市の吸引力係数は100を上回り、周辺から消費者が集まっている。同じ5万人の人口規模の岡谷市や茅野市は100を下回っている。ただ岡谷市には2016年、大型ショッピングモールが開業しており、都市間競争の結果次第では、諏訪市の商圏も優位性がゆらぎかねない。

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