埼玉県やLINEなど4社、スマホ決済普及へ秩父で実験

2019/2/21 0:00
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埼玉県の秩父地域で官民が連携し、スマートフォン(スマホ)のQRコード決済普及に向けた実証実験を始めた。LINEなど4社が協力し、約300店・施設が参加する。観光客が多い秩父で商店や観光施設にスマホ決済に一斉に取り組んでもらい、普及を図る。訪日外国人などの誘客や地域活性化につなげる考えだ。

観光客はスマホ決済で買い物をしやすくなる(埼玉県秩父市)

実証実験は県が民間企業と連携して行政サービス向上を図る事業「サイコロ」の一環で、2月から6カ月間実施する。県と秩父市、横瀬町、秩父商工会議所などと、決済事業者が連携して商店街などに導入を促す。

参加する決済事業者は「LINEペイ」「ペイペイ」「楽天ペイ」「オリガミペイ」を運営する4社。店側がプリントもしくはスマホなどに表示したQRコードを客がスマホで読み取り、決済する仕組み。店の導入費用は原則無料で、4社が一定期間、決済手数料を無料にしたり、キャッシュバックを実施したりして導入しやすくしている。

秩父地域ではクレジットカードを使えない店が多いが、実証実験には1月末時点で300カ所以上の店舗、施設が参加する意思を表明し、順次導入を進めている。

秩父鉄道は3月から、御花畑駅で「ながとろ満喫きっぷ」(大人890円)を購入する際にLINEペイを使えるようにする予定だ。長瀞ラインくだりや宝登山ロープウェイの運賃でも導入する。同社初のキャッシュレス対応で「ICカードの導入も検討しているが、現状では導入コストの面で難しい。今回の取り組みで利用者の反応を見てみたい」と説明する。

秩父神社に近い番場商店街のたい焼き店「秩父ははそたい焼き」は、ペイペイを導入した。近年は台湾やシンガポールなどからの観光客の来店が増えており、店主の宮崎弘恵さんは「外国からのお客さんも便利に使える仕組みなので、地域全体の盛り上げにつながるなら導入しようと思った」と話す。

休日などはひっきりなしに客が訪れる人気店だが、薄利多売のため決済手数料の負担は重い。「手数料無料の期間に導入効果を見極めたい」という。

東京五輪などを控え、県は観光客による地域での消費を促すためには、キャッシュレス化が有効とみる。県などは実証実験で、外国人や高齢者の利用状況や改善すべき点などを調べ、県内での普及方法を探る。県改革推進課は「外国人や住民の利便性が向上するだけでなく、精算作業の負担も軽減できる。まずは店舗などにキャッシュレス化のメリットを感じてもらいたい」としている。

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