2019年3月26日(火)

ソニー「自前アイデアに限界」 新事業へ外部から知恵
まず京セラ、幼児教育なども対象

スタートアップ
エレクトロニクス
2019/2/20 20:30 (2019/2/20 22:28更新)
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ソニーが新規事業の創出にもがいている。独自の新規事業育成制度を5年前に立ち上げたが、いまだ大ヒットは生まれていない。単独での新事業育成には限界があるとみて、ヒットにつながる事業アイデアを外部から募る「オープンイノベーション」を本格化する。次世代の柱となる新事業の育成が長年の課題。外部連携で従来にはない突破口を見出したい構えだ。

ソニーは20日、新事業創出プログラムの進捗について説明会を開いた。2014年に社内向けに始めた同施策を通じ、5年間に14事業を実用化したと成果を強調した。

登壇した小田島伸至統括部長は「他社と比べても遜色ない」とした一方で、「ソニーのリソース(資源)だけではそれほど大きくはならない。ソニーの尺以上にはならない」と、ソニー単独では新事業を大きく育てることの限界を示した。

これまで社内育成で事業化したのは、腕時計型端末「ウェナリスト」やデジタル玩具「トイオ」など。既存事業の枠には収まらないアイデアを拾い上げてきた。

ただ現時点で事業規模はどれも限定的。社内外からは「多くの人が携わっている割には物足りない」(中堅社員)、「半導体などリソースが足りない有望な分野に人を振り向けた方がよい」(国内アナリスト)と厳しい声も上がる。エンジニアの多いソニーでは、アイデアがハードウエアに偏りがちなことも一因だ。

このため18年から外部との協業型に切り替えた。ソフト面も含めてアイデアの種を幅広く集め、不足を補いたい考え。

連携第1弾となる京セラは18年10月から担当者をソニー本社に常駐させる。電圧をかけると振動する電子部品を活用した製品開発を進めている。4月までに事業化を判断する予定で、ソニーは事業育成ノウハウを生かし事業検証を支援する。

幼児が言葉を覚えるのに役立つデジタル絵本を開発するスタートアップ「ミツゴプロジェクト」も、ソニー本社の専用スペースに入居。ミツゴプロジェクトの渡辺峰生代表はソニーに「事業化に向けた伴走」を期待すると語る。

ソニー発の大ヒット商品やサービスが長年誕生せず、模索の期間が長引くなか、取り巻く環境は激変している。技術革新のスピードは上がり、消費者のニーズも多様化が進む。日立製作所パナソニックなどもオープンイノベーションを訴える。新事業のアイデアを持つスタートアップや人材の争奪は激しい。

ただ、ヒット創出に苦しむ中でも、外部企業を呼び寄せるブランド力はなお健在だ。「強みである新規事業創出のノウハウを学びたい」(京セラ)。協業先を集める優位性は保っている。

ソニーは新事業について将来の規模感などは明かしていない。次世代の柱を外部連携で育てられるかは、アイデアの巧拙だけでなく事業化の速度も重要となりそうだ。(岩戸寿)

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