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冬の競馬開催の大敵 雪への対応 様変わり

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2019/2/23 6:30
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冬の競馬開催の大敵である雪。この冬も9日の東京競馬が中止され、11日に延期となったが、近年、日本中央競馬会(JRA)の雪への対応が様変わりしている。除雪に手間のかかる芝のレースを、除雪しやすいダートに変更してでも開催するケースが減り、開催を中止して延期する傾向が鮮明となっている。中止を判断するタイミングも早くなってきた。ネット投票の普及で日程を変更しても馬券売り上げが確保できるようになったことや、質の高いレースを行うにはコースの変更を避けるべきだとの考えが強まっていることが要因だ。ただ、開催が毎週組まれている中央競馬では、中止分を代替する余地は小さい。円滑に日程を消化できなくなるリスクも高まっている。

9日の東京競馬では春の桜花賞(G1)に向けた3歳牝馬による前哨戦、クイーンカップ(G3)が予定されていた。この日の関東地方は降雪の予報が出ており、積雪も見込まれていた。JRAの判断は早く、同日午前2時55分の時点で対策会議を終え、中止とする方針を確認した。昼間はほとんど積雪がなく、結果的には開催も可能だったが、雪が降った場合に高速道路の通行止めや鉄道の運休により、競走馬の輸送やファンの移動に影響が出るおそれもあったことから「判断が遅れれば遅れるほど、影響が大きくなる」(JRA)と早々に中止を決めた。代替日となる11日が建国記念日で休日だったことも判断を早めた要因のひとつと思われる。

かつては開催の可否を当日の朝、ぎりぎりまで検討し、積雪のあった場合でも芝のレースをダートに変更して日程を消化することも多かった。たとえば1995年2月5日の東京競馬では、午前10時発走予定だった第1レースを1時間遅らせたうえで、重賞の東京新聞杯も含めた芝のレースをすべてダートに変更して開催した。当時の新聞記事を調べると、これらが決定したのは午前7時20分の会議だったという。

平成の30年間(89年1月8日から現在まで)でみると、上記の例を含め、当初予定していた使用コースを変更して競馬を開催したケースは16回あった。豪雨でダートコースが冠水し、1日の全競走が芝で行われた91年8月31日の函館競馬を除く15回は、芝からダートへの変更で、うち1回が台風、14回が雪によるものだった。ただ、2008年2月24日の雪の京都競馬を最後に、ここ11年間はダート変更がない。

レース条件変えるくらいなら…

この理由についてJRAは「すべてのレースで、その条件への出走に向け、各陣営が馬を調整している。極力、条件を変更するような対応は避けるべきだ」と説明する。降雪の影響が長引きそうな場合や、開催予定の競馬場すべてで中止が懸念されるときは「ダート変更をしてでも出走機会を確保すべきだと判断する場合もある」とするが、レースの条件を変えるくらいなら、中止を優先するという姿勢がうかがえる。

実際、JRAは近年、ダート変更の可能性を狭める施策を導入している。ダートは幅員の関係から芝よりも出走可能頭数が少なく、最大でも16頭にとどまる。18頭立てが可能な芝のレースでも冬場は雪に備え、ダートに変更できるよう最大の出走頭数を16頭に抑えていた。この制限を中京では08年になくした。15年には首都圏と近畿圏の競馬場でも重賞に限って制限を解除した。「冬の重賞は春のG1競走に向けた前哨戦が多い。質の高いレースを提供するという観点に立てば、態勢の整った馬が、目標とした芝の競走に出走することが求められている」とJRAは主張する。

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