大学改革シンポ特集「企業人の経験をいかす」

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2019/2/21 6:00
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外部の視点が不可欠

大学経営は厳しい局面を迎えている。進学者数は2017年度をピークに減少し、40年度は17年度比で2割減になるとの推計もある。国の財政にゆとりはなく、大学教育や研究に充てる資金の確保が大きな課題だ。

企業経験者らの大学経営への参画は、難局を乗り越える一つの手段だ。産学連携や寄付金集め、受託研究などによる外部資金の獲得は民間の人脈やノウハウがモノをいう。

高校を卒業した18歳の学生を中心にした教育も変化を迫られている。産業が高度化するにつれ、社会人の「学び直し」を受け入れるリカレント教育が重要になっている。産業界が求める大学教育が何かを理解し、実践的な内容を教えられる実務家教員をそろえる必要が出てくる。

国は様々な施策を通して、外部人材を大学に送り込もうとしている。20年度に始める高等教育の無償化では、支援を受ける大学の条件として複数人の理事を外部から登用するとした。国立大では教育研究を担う学長と、法人の長(理事長)を分離できるよう検討中だ。学長と役割分担し、経営にたけた外部人材に経営を託すこともできるようになる。

少子化で大学の縮小や統廃合への危機感は高まっている。一方で知識集約型の社会を迎えて大学の人材育成や研究に期待する声は大きい。時代に見合った大学に生まれ変わるために、外部の視点や知恵が求められている。

参加者「企業での経験に説得力」
 シンポジウム参加者へのアンケートは「企業経験を踏まえての大学経営はとても説得力があった」など、パネリストの学長らが民間企業に勤務経験があるという特色への意見が目立った。ほかにも「産業全体も含めた観点の意見は参考になった」「大学も企業も多様性に富んだ人づくりが重要」と、変化が迫られている大学の現状に照らし合わせた感想が寄せられた。
 パネリストの顔ぶれについては「いずれも地方大学だったことが興味深く、比較できたこともよかった」「協調性だけでなくとがった人間を育てるという話が印象的だった」と討論内容を振り返った。
 文部科学省の職員との討論を望む声もあった。参加者の多くは大学教育関係者だったが、「大学のリーダーの考え、活動がわかった」と高校生の声もあった。
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