2019年6月27日(木)

進化を楽しむ(廣瀬俊朗)

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ラグビー日本、残り7カ月で考えるべきこと

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2019/2/20 6:30
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日本代表候補の一部がプレーするサンウルブズも2月16日にシャークス(南アフリカ)と初戦を戦った。結果は10-45の完敗だった。

反則を連発したスクラムをはじめ、セットプレーであれだけ苦戦すると厳しい。数少ない攻撃機会も、キックを使った戦術がなかなかうまくいかなかった。蹴るタイミングの判断やキックの精度に問題があり、相手にただボールを渡すだけというシーンが多かった。

シャークスの対策にはまった面もある。サンウルブズはバックスにボールを回してからタッチライン際にゴロのキックを何本か蹴ったが、ほとんどが相手の正面で捕球されてしまった。シャークスのWTBらがあらかじめ下がり、キックに備えていたからだ。

蹴るスペースがないのなら、キックをやめてパスで攻めるなど、臨機応変に対応したかった。同様のキックを多く使う日本代表に対しても、同じ対策を取るチームが増えるだろう。サンウルブズでの試合で、W杯に必要な修正力を磨いていってもらいたい。

プラス材料もあった。最初の20分間は代表と同様の前に出る守備が機能し、ボール奪取に度々成功した。日本代表で攻撃戦術を担当するトニー・ブラウンHCが率いるチームだから、ボールさえ持てれば魅力的な攻撃を見せられるはず。23日には国内初戦となるワラタス(オーストラリア)戦を迎える。昨季4強の難敵だが、少しでも前進した姿を見せてほしい。

スコットランド、アイルランドにもすき

日本代表とサンウルブズは徐々に始動したが、日本がW杯で対戦するチームは既に厳しい戦いを続けている。今月開幕した欧州6カ国対抗で、アイルランドとスコットランドはここまで2試合ずつ戦った。9日には両チームが直接対戦し、アイルランドが22-13で勝っている。

この試合、スコットランドは1トライしか挙げられなかった。しかも起点はパスカット。狙い通りの攻撃で崩したものではない。W杯でも対戦するアイルランドが相手だから手の内を隠していた可能性はあるが、ゴール前に進んだ後にどうやって仕留めるかが、全く見えなかった。日本がつけ込むべきところだろう。

ただ、ゴール前に進むまでの中盤の攻撃は強力だった。FBホッグを筆頭に突破力のある選手がいるし、SHレイドローのキックも安定している。こちらもキック力が高いSOラッセルとのハーフ団は日本の脅威になる。

世界ランキング2位のアイルランドは、大黒柱のSOセクストンが負傷交代したのにスコットランドに勝ちきったところがしぶとく、底力を感じさせた。土台のFWも相変わらず力強く、タフだった。

攻撃面で目を見張るようなものは少ないが、ラインアウトから一発でトライを奪ったサインプレーは見事だった。こうした特別なプレーを毎試合、用意するのがシュミット監督の特長だ。日本も十分に対策を練る必要がある。

一方で、アイルランドが20-32で敗れた2日のイングランド戦は日本を勇気づけるものだった。イングランドの勝因は速い防御ラインとキック戦術。いずれも日本代表が目指すものである。

アイルランドの弱点も垣間見えた。通常、中盤で攻撃側がパスを展開したとき、守備側のWTBは前に上がってタッチライン際を守る。WTBの背後のスペースにはFBが上がってキックに備えるが、アイルランドはこの連携がやや鈍かった。キックを多用する日本にとっては、狙いどころだろう。

(元ラグビー日本代表主将)

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