2019年8月25日(日)

悪ふざけ動画、拡散止まらず バイトがSNS投稿

2019/2/19 11:06
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飲食店やコンビニ店のアルバイトが食材などで悪ふざけをする動画を交流サイト(SNS)に投稿し、企業が謝罪に追い込まれるトラブルが相次いでいる。仲間内で受けを狙った動画が外部に流出、拡散したケースが目に付く。企業側は厳格に責任を追及する姿勢を強めているが、専門家からは「リスクを認識させる教育こそ重要だ」との指摘も出ている。

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「やばいやばい、これ絶対クビ!」。牛丼店「すき家」の店内で、バイトが氷を投げ、調理器具を下半身にあてるなどして大騒ぎする動画が1月にSNSで拡散した。

運営するゼンショーホールディングスが把握したのは1月28日。すぐバイトを退職処分とし、ホームページ(HP)上で「大変不快な思いをさせた」と謝罪文を公表した。

動画は当初、写真共有アプリ「インスタグラム」で24時間たてば投稿が自動的に削除される機能「ストーリーズ」を使って仲間向けに投稿されたが、短文投稿サイト「ツイッター」や動画投稿サイト「ユーチューブ」に転載されて一気に広まった。会社の聞き取りに対し、バイトは「24時間で消えるから大丈夫だと思った」と説明したという。

すかいらーくホールディングス傘下の「バーミヤン」では、バイトが2018年3月ごろに投稿した動画が19年2月になって「炎上」した。中華鍋から上がる炎でたばこに火を付ける様子を撮影したもので、「この動画は事実か」などと苦情が寄せられた。

バーミヤンのアルバイトが中華鍋から上がる炎に顔を近づけ、たばこに火を付ける動画(ユーチューブより)=一部画像処理しています

バーミヤンのアルバイトが中華鍋から上がる炎に顔を近づけ、たばこに火を付ける動画(ユーチューブより)=一部画像処理しています

こうした事例は13年ごろから社会問題化した。バイトがアイスクリーム用冷凍庫の中に入ったり、ピザ生地で顔を覆ったりする写真がSNS上に流された。元小学校教員のITジャーナリスト、高橋暁子さんによると、スマートフォン(スマホ)の普及により、若者が仲間内で盛り上がるために過激な動画を投稿し合うことが背景にあるという。

以前はツイッターへの投稿が大半だったが、最近は若者に人気のインスタグラムにシフト。「投稿を見ている仲間のネットリテラシーも低く、面白がって不用意に転載しているケースが多いのではないか」(高橋さん)という。

会社側の対応は厳罰化に向かっている。ゴミ箱から取り出した魚をまな板に置く動画が問題となった「くら寿司」を展開するくらコーポレーションは、バイト2人に対し刑事、民事両面で法的措置の準備を進める。HPで「多発する不適切行動とSNSの投稿に対し一石を投じる」とした。

同様にバイトの不適切な動画が問題となったセブン―イレブン・ジャパンも法的措置を検討している。18日には定食チェーンの大戸屋も、大阪府内の店舗でバイトの不適切投稿があり3人を退職処分としたと発表した。

研修サービスのホスピタリティ&グローイング・ジャパン(東京)社長、有本均さんは「数年前、問題が注目された際に企業は一時的に研修を徹底したが、バイトが入れ替わり、研修を受けていない層が大半になっている」と指摘する。

問題が大きくなれば動画はネット上に残り続ける。有本さんは「軽い気持ちの投稿が一生を台無しにすることもある。企業側はバイトが過ちを犯さないよう教育する仕組みを構築することに力を入れるべきだ」と話している。

■悪意の投稿、18%が経験

情報処理推進機構(IPA)が2018年、スマートフォン(スマホ)など携帯端末を利用する13歳以上の5千人を調べたところ、61.8%がインターネットでの投稿経験があった。投稿したものは「SNSに文章を投稿」(45.6%)、「SNSに写真、動画などを投稿」(41.9%)が多かった。

投稿経験者の18.3%が悪意のある投稿を経験したと回答。内容は「下品な言葉」や「他人や企業の悪口」などが多かった。悪意のある投稿の理由については「人の意見に反論したかったから」が29.1%で最も多く、「人の投稿やコメントを見て不快になったから」(27.8%)、「人の意見を非難するため」(24.1%)が続いた。

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