1月の中国新車販売15%減、乗用車の不振続く
【広州=川上尚志】中国汽車工業協会は18日、1月の新車販売台数が前年同月比15.8%減の236万7300台だったと発表した。7カ月連続で前年実績を割り込んだ。景気減速で買い控えが広がり、乗用車の落ち込みが深刻だった。業界内では中国政府の消費刺激策で2019年通年で需要が回復するとの期待はあるが、底打ちには時間がかかる可能性がある。
中国では春節(旧正月)に絡む大型連休の時期が毎年異なり、19年は2月上旬からで前年の2月中旬より早かった。連休前に休業する新車販売店が多く、稼働日が少なかったことも販売台数を押し下げた。
新車需要の9割近くを占める乗用車は、17.7%減の202万1100台だった。車種別では18年前半まで好調だった多目的スポーツ車(SUV)が18.9%減、セダンも14.9%減と苦戦した。「乗用車市場は依然として低迷している」(中国汽車工業協会)
商用車は2.2%減の34万6200台と乗用車に比べ減少幅は小さかった。電気自動車(EV)など新エネルギー車の販売台数は2.4倍の9万6千台で拡大が続いた。
日系メーカーではトヨタ自動車が15%増と11カ月連続のプラスだった一方、日産自動車やマツダ、三菱自動車はマイナスとなり明暗が分かれた。
中国の新車販売台数は18年に28年ぶりのマイナスとなった。中国政府は19年1月末、旧型の排ガス規制対応車や農村での小型車への買い替えに補助金を支給する消費刺激策を発表した。各種政策の効果が今後出てくることで、「19年下半期には市場の成長が回復する」(日系自動車メーカー)との見方がある。