トランプ氏、車関税の是非判断へ 日本メーカー警戒

2019/2/18 16:44
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は自動車の輸入を制限するため追加関税を発動すべきかどうか正式な検討に入る。商務省が17日、調査報告書を同氏に提出した。即座には実施しないものの日本との通商交渉で譲歩を迫る「カード」として温存する構え。日本の自動車メーカーは関税の代わりに数量制限などを迫られる可能性があると、警戒している。

トランプ米大統領は自動車関税を貿易交渉のカードに使う=AP

トランプ米大統領は自動車関税を貿易交渉のカードに使う=AP

17日は報告書提出の法定期限だった。その内容は公表されていない。完成車や部品の輸入が増えて米国の生産基盤が揺らぎ、安全保障が脅かされているかどうかを調べた。トランプ氏は法律上90日以内に対応を決める必要がある。だが、追加で半年間延ばせる規定もあるため、最終判断は2019年後半までずれ込むことも考えられる。

トランプ氏は16日~18日の3連休に南部フロリダ州の別荘に滞在しており、ロス商務長官や米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らと貿易問題で会議を開いた。自動車関税についても話し合ったもようだ。

米通商筋によると、報告書の原案段階では完成車や部品に一律20~25%の関税を課す案や、電気自動車や自動運転車など先端技術だけを対象とする案が検討された。報告書は公表する義務があるが、期限はない。トランプ氏はカードを伏せたまま「脅し」の材料に使い続けるとみられている。

仮にトランプ氏が関税発動を決めた場合でも、日本や欧州連合(EU)は当面免除となる見通しだ。各首脳がトランプ氏との会談で、通商交渉中は関税を棚上げする方針を確認しているからだ。

それでも日本では「米国への追加投資や数量制限を求めてくるのではないか」(トヨタ自動車幹部)と警戒する声が目立つ。日本自動車工業会は7日、米国で152万人の雇用を生んでいるとの分析結果を直前に公表して、米国経済への貢献を改めてアピールした。

米自動車調査センターによると、米国における17年の乗用車販売のうち輸入全体は48%。国別では日本が10%を占める。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を通じて年260万台まで関税免除が確定しているメキシコ(14%)、カナダ(11%)に次いで大きい。

関税を課した場合に米国の企業や消費者が被る副作用も無視できない。米国生産車でも平均して40~50%が輸入部材とされる。トランプ氏が自動車業界の反発や政権内の慎重な意見にどこまで耳を貸すかは不透明だ。

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