2019年8月21日(水)
時価総額(普通株式ベース)
  • 東証1部 5,725,556億円
  • 東証2部 67,880億円
  • ジャスダック 86,597億円
東証1部全銘柄の指標
連結前期基準予想
純資産倍率 1.11倍 --
株価収益率13.32倍13.15倍
株式益回り7.50%7.60%
配当利回り2.14% 2.15%
株式市場データ

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 20,618.57 -58.65
日経平均先物(円)
大取,19/09月 ※
20,570 -90

[PR]

マーケットニュース

フォローする

孫氏がかけた「保険」の意味(一目均衡)
編集委員 藤田和明

2019/2/18 18:00
保存
共有
印刷
その他

「市場に供給のあるプット(売る権利)をほぼ全数、半年かけて黙って静かに買い集めた」。2月6日、ソフトバンクグループ(SBG)の決算発表で孫正義会長兼社長は保有する米半導体大手、エヌビディア株の急落に備え、いかに「保険」をかけていたかを披露した。半年前といえば「エヌビディアの株価が絶好調のとき」になる。

決算発表するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(6日、東京都港区)

決算発表するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(6日、東京都港区)

この手法は「カラー取引」と呼ばれる。金融派生商品を使い一定以上の値上がり益を放棄する分、値下がりしても損が膨らまない構えをつくりあげる。これが株評価損の穴を埋める役目を果たした。

9月末に281ドルだったエヌビディア株は、12月末には半値に急落した。SBGは保険によって実質的に218ドルで株式を現金化し、投資を回収できた。「見事というほかない」と米系運用会社の幹部は舌を巻く。

過去にもカラー取引で話題になった人物がいる。ポール・アレン氏。マイクロソフトの共同創業者だ。マイクロソフト株で財をなした資産家で昨年亡くなったが、最近は宇宙事業にも投資していた。旧日本海軍の戦艦「武蔵」の発見でも知られる。

アレン氏の取引は2000年だ。IT(情報技術)バブルがはじけ、マイクロソフトは株価急落に直面していた。大株主だったアレン氏は資産の目減りを防ぐのにカラー取引を使ったとされる。

当時はマイクロソフトの経営から離れ、自身のファンドを設立。「結ばれた世界」を掲げてケーブルテレビなどの買収に傾注していた頃だ。かたや今の孫氏は人工知能(AI)が世界を変えるとして投資の軸足を移している。不思議なほどに相似形だ。

ポール・アレン氏(左)とビル・ゲイツ氏(2000年5月、米オレゴン州ポートランド)=ロイター

ポール・アレン氏(左)とビル・ゲイツ氏(2000年5月、米オレゴン州ポートランド)=ロイター

そして両氏と対照的な役割を別の投資家が担っている。割安株投資のウォーレン・バフェット氏だ。

1990年代末、アレン氏の資産は膨らみ、バフェット氏を抜いて全米2位の富豪に躍り出た。その頃はハイテク株を避けたバフェット氏の失敗が語られた。孫氏もバフェット氏を引き合いに出す。安定的に生み出されるキャッシュフローを重視し、割安と判断できれば投資するバリュー投資がバフェット流。孫氏は「私は違う。ビジョンで投資する」。未来を買うグロース(成長)投資だ。

グロース投資が最も効果的なのは、好景気で株価が上がり続ける局面になる。企業は成長を続け、投資回収の機会も見つけやすい。一方で相場は産業構造の変化ほど一直線に動くとは限らない。「時価」に行きすぎと反動があるのは宿命だ。「信号はいつでも緑から赤に変わる」。バフェット氏は昨年、株主に宛てた手紙で過去の株安局面を、こう振り返った。

ウォーレン・バフェット氏

ウォーレン・バフェット氏

投資家が保有株にかけた保険は、これ以上の株高は容易でないとのメッセージを含む。アレン氏の保険は結果的にITブームが終わるなかで使われバフェット氏の手堅さはその後、再評価された。孫氏の保険は成長株の天井を意識させ、割安株が優位になるサインとなるか。注目だ。

マーケットニュースをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップマーケットトップ

マーケットニュース 一覧

フォローする

読まれたコラム

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。