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3連覇狙うJ1川崎 中村「常に危機感を持って」

2月22日に開幕するサッカーの明治安田生命J1リーグ。優勝候補の筆頭は、3連覇に挑む川崎フロンターレだろう。チームの旗頭(バンディエラ)である38歳のMF中村憲剛に話を聞いた。

――キャンプの感触は。

「気候がよかった。1次の宮崎も2次の沖縄も。チームに大きなけが人も出なかった。1月のアジアカップで日本代表に選ばれた守田(英正)が向こうでけがをしたけれど、もう戻ったし」

川崎一筋17年目の中村憲剛。生え抜きがクラブを支えるという

――FWレアンドロダミアンらブラジル勢と、C大阪から山村和也が新たに加わった。

「背が高くて、フィジカルの強い選手を積極的に補強した感じ。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)をにらんでいるんだと思う。毎回ボールを保持して、相手を圧倒して全タイトルを取るのが目標だけれど、それができないときもある。そんなときでもぽんと得点できちゃうダミアンの高さは、うちになかったものだから」

「うちはやることが整理されたチームで、それをやらない選手は鬼さん(鬼木達監督)が使わない。だけれど、どこかを壊さないと、積み上げもないんじゃないか。いまはチームの幹を(若手に)ちょっとずつ移行させている段階。ダミアンにしても、俺らからしたら異分子なんです。まず迎える俺らが頭の中を変えなくちゃいけない。自分たちのいいものを残しつつ、どうやってダミアンをはめ込むか。少しずつそれが見えてきた」

外国人枠拡大「問われる日本人の底力」

――プロ17年目。リーグの変化を何か感じる?

「どこのアウェー戦でも、スタジアムと周辺で熱気を感じる。17年たって"アウェー感"が出てきた。実際のJリーグの観客数や視聴者の数は微妙なのかもしれないけれど、プレーする立場でいうと、サッカーは根づいてきているんじゃないかと思う。アウェーで戦うのが楽しいし、うれしい」

「連覇はしたけれど、僕らには危機感しかない。一歩間違えば降格争いをしちゃうのがJリーグなので。それに外国籍選手枠が拡大して、今季から1チーム5人の外国人が出場できる。これは結構シビア。でも逆に日本人の競争力が引き出されるのかな、とも思う。安泰だった場所に、おいしいところを根こそぎ持っていこうとする人たちが現れたというか。ポジションを守るために自分たちも変わらなきゃいけないし、チームメートといえど戦わないといけない。日本人の底力を問われている」

――川崎一筋のまま38歳になった。

「29歳の時にオランダのPSVアイントホーフェンから誘いが来た。そのときまでにフロンターレがタイトルを取っていたら、移籍していたかもしれない。2位になった経験はいくつかあったけれど、結果が伴わないのに出ていく選択は、俺にはなかった。クラブに恩義があった。テスト生から拾われた身なので」

――アンチエイジングの秘訣は。

「単に遅咲きだった。大卒だし、最初の2年はJ2でやっている。1学年上の伸二さん(小野伸二)やイナさん(稲本潤一)が2002年ワールドカップ(W杯)日韓大会に出場したとき、俺は大学4年生。関東リーグの2部だった。伸二さんは高卒ですぐJでプレーして、当時は日程もタイトだったし、各年代の代表にも入って世界とも戦っていた。こっちは大学のリーグ戦で前期後期が7試合ずつ。あとはトーナメントがいくつかあるだけ。蓄積された消耗度が全然違う」

「ここまで大きなけががなかったのは、プレースタイルもあると思う。もともと体が小さくて、接触プレーを避けていた。ガッシャンガッシャンぶつかっていたら、いろんなところに痛みが生じていたと思う」

「もっとやれる」「まだ伸びる」

「自分がいるのは当たり前という世界で、俺は生きてこなかった。(努力や工夫を)やめたら使われない。もともとたいした選手じゃなかったから、結果を残さないと試合に出られないという危機感が常にある。出られないことを受け入れたら、終わっていく。それでいいじゃんという人が大多数だと思う。ここまでやったし、優勝もしたし。けど俺は嫌なんですよ。もっとやりたいし、もっとやれるし。最後まで走りきって終わりたい」

――大学時代はドリブラーだったとか。

「そう。でもJ2でまったく通用しなかった。2年目でボランチに変わって、(快足FWの)ジュニーニョに鍛えられた。彼に出す長い縦パスが自分の代名詞になって、日本代表にもなって。で、32歳のときに風間さん(風間八宏・現名古屋監督)がうちの監督になった。自分はもう完成した選手だと思っていたら、ボールを止める、蹴るという基礎練習をもっとやれって言われて、俺まだ伸びるのかとゾクゾクした。実際、30歳を過ぎてからうまくなって、世界観も変わった。だから、まだ伸びるぞって人にも言える」

浦和と対戦した富士ゼロックス・スーパーカップでは新戦力のレアンドロダミアン(右)が決勝点を挙げた

「アキ(家長昭博)やアベちゃん(阿部浩之)のように力のある選手が来てくれるのも大事だけれど、やっぱり生え抜きに力がないと、クラブに体力がなくなる。16年にユウ(小林悠)の移籍話が持ち上がったときは、必死に止めた。あいつも俺と同じ大卒の生え抜き。自分の次の、チームの幹になる選手が国内の別のクラブに移ってしまったら、下の選手はそれを見て、ユウさんが行くなら俺も行くってなっちゃう。それは絶対だめだと思って、フロントとの間に立って、ずっと話をした。あいつが残ったのはすごく大きい。次のシーズンがリーグ初優勝で、あいつ自身も得点王とMVPだから」

――指導者願望は。

「あります。いまも半分コーチみたいなものだし。教えながらやっている。(後輩に)伸びてほしいからアドバイスはする。でも俺を蹴飛ばすやつがいても、どかないよ。たたきつぶすよ、という気持ちでいます」

(聞き手は阿刀田寛)

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